シラバス情報

科目名
食品フレーバーの化学
担当教員名
佐川 岳人
ナンバリング
NCa4001
学科
2020〜2024年度 大学 人間生活学部 食品開発学科 4年
学年
4年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
食品における「におい」を感覚・言語と化学物質という2つの側面で学習する体験型。
・フレーバーを構成する成分のにおいを記憶・・・感覚
・においの特徴を言葉で表現・・・言語
・物質の化学特性を関連付けて覚える・・・化学
②科目の概要
食品の風味設計を行う上でフレーバーを上手に利用することが重要となります。そこで、「におい」を体感しながら、感覚として理解することで、フレーバーを効果的に使えるようになることを目指します。
③授業の方法(ALを含む)
座学中心となります。ただし、以下のような体験を交えながら実施します。
1)実際に香気成分の匂いを嗅いで特徴の体験。
2)フレーバー添加時の効果を体験。
3)香気成分の構造を模型やスマートフォン(アプリ)を用いて学習。
     使用ソフト “MolView”(  https://molview.org/) webソフトのためダウンロードは必要ありません
4)エッセンシャルオイル作成の体験(1回実施予定)
ミニテスト/実技、実験/ディスカッション
④到達目標
フレーバーの性質を、感覚(匂いのイメージ)として理解することで、食品開発やレシピ開発を行う上での対応力を身につける。合わせて、香りの影響を考えながら食品を評価することができるようになる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NC①-2 食品分析技術、加工技術/NC①-3 食品製造・販売、情報発信/NC①-4 食品開発 研究推進

第1回
事前学習
授業内容
学習テーマ:においとは?
1)においの種類と表現する言葉
2)におい物質の種類とその特徴
事後学習・次回事前学習
第2回
授業内容
学習テーマ:身近な「におい」
1)食べ物のにおい
2)調理のにおい
3)生活の中におい
事後学習・次回事前学習
第3回
授業内容
学習テーマ:化学物質としての「におい」①
1)化学物質としてのフレーバー
2)におい物質の化学構造(模型とアプリを利用)
事後学習・次回事前学習
第4回
授業内容
学習テーマ:原材料としてのフレーバー
1)フレーバーの性質(確認方法、基剤違いによる感覚の変化)
2)におい特徴の確認方法
3)フレーバーに関わる様々な法規
事後学習・次回事前学習
第5回
授業内容
学習テーマ:化学物質としての「におい」 ②
1)におい成分を物質の構造と関係性
2)模型とアプリを利用しながら、においを覚える
事後学習・次回事前学習
第6回
授業内容
学習テーマ:食品開発におけるフレーバー
1)フレーバー製剤の種類
2)におい成分が溶け込む基材(アルコール、油など)と香りの感じ方
事後学習・次回事前学習
第7回
授業内容
学習テーマ:においの特徴を決めるポイント
フレーバーを構成する香気成分のバランスと香りの質
バランスの重要性(香辛料を使って体験)
事後学習・次回事前学習
第8回
授業内容
学習テーマ:においを感じる仕組み
1)においを感じる仕組み
2)においと記憶
3)鼻先香(オルソネーザルアロマ)と口中香(レトロネーザルアロマ)
4)におい物質の閾値
事後学習・次回事前学習
第9回
授業内容
学習テーマ:食品のオフフレーバー
1)オフフレーバーとは
2)食品にとって良くない香り(異臭)
3)原因の探索方と解決
事後学習・次回事前学習
第10回
授業内容
学習テーマ:素材の風味を変化させる効果を考える
1)食品を美味しくする使い方
2)におい成分の閾値
3)においを感じないレベルで繰り広げられるフレーバーの効果
4)においのマスキング
事後学習・次回事前学習
第11回
授業内容
学習テーマ:身近な食べ物からにおいを抽出する
1)水蒸気蒸留によるにおいの抽出
2)においが風味に及ぼす影響を体験
事後学習・次回事前学習
第12回
授業内容
学習テーマ:フレーバーを上手に利用するために考えること
1)食品の物性の違いと香り立ち
2)食場面のイメージした利用
3)品質の維持
事後学習・次回事前学習
第13回
授業内容
学習テーマ:香を付与する食材(香辛料)①
1)代表的な香辛料とにおい成分
2)香辛料の効果
事後学習・次回事前学習
第14回
授業内容
学習テーマ:香を付与する食材(香辛料)②
1)シーズニング
2)カレーの香り
事後学習・次回事前学習
第15回
授業内容
学習テーマ:色々なフレーバーを知る
1)色々な食品フレーバー
2)においの特徴を言葉で表現・解析
事後学習

フィードバック
小テスト結果の返却によるフィードバック。
評価方法および評価の基準
授業における小テスト(各回 10点)
合格基準は、15回小テストの合計が80点以上(150点満点)

教科書
推薦書・参考文献
絵でわかる においと香りの不思議 長谷川香料株式会社 講談社 ISBN:978-4-06-526925-1(本体価格 2,200円)
香料の科学 長谷川香料株式会社 講談社 ISBN:978-4-06-154379-9  (本体価格 2,500円)

履修上の助言、教員からのメッセージ
食品風味の7〜8割は「におい」で成り立っていると言われているぐらい、フレーバーをどの様に利用するかで風味は変わっていきます。そこで、簡単な「におい」の体験を通じながら身近なものに感じてもらうことを一番の目的とします。ですから、食品やフレグランスに限らず「におい」に興味を持っていれば基礎知識は不要です。