シラバス情報

科目名
栄養教育論Ⅰ 1Bクラス
担当教員名
井上 久美子
ナンバリング
NBb2033
学科
2020〜2024年度 大学 人間生活学部 食物栄養学科 2年
学年
2年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
食物栄養学科の必修科目である。科学的な根拠に基づく見識、企画力・指導能力、実践力を備えた感性豊かな管理栄養士をめざす学生が、管理栄養士国家試験受験資格を得るために学ぶ必修講義科目であり、2年次前期に受講する。この講義で理解した内容については、2年次後期に「栄養教育論実習Ⅰ」で自らが体得し、さらに同時期に開講される講義科目「栄養教育論Ⅱ」の基礎となる。
健康運動実践指導者資格の取得に、必修の科目となる。
②科目の概要
管理栄養士が、食事や運動、休養などに関する人々の知識を増やして意識を変え、生活行動を変容させていくように導くために、また、人々が大きな影響を受ける食環境の改善を導くために、実施すべき効果的な栄養教育の基本的な考え方や手法を学ぶ。
③授業の方法(ALを含む)
基本的に講義形式である。毎回、【リアクションペーパー】の提出を求め、次回に、その内容や課題について授業内でフィードバックする。単元のまとめの際に【ミニテスト】を行う。
ミニテスト/リアクションペーパー
④到達目標
(1)栄養教育の概念を明確に説明できる。 
(2)栄養教育の、アセスメントやマネジメントの方法を説明できる。
(3)行動変容の理論やモデル、行動変容技法を活用できる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NB①-2 食・栄養・健康の専門知識/NB②-3 論理的思考/NB③-5 主体的な意思決定の尊重

第1回
事前学習
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第1章 1.1 を事前に読み、栄養教育論を学ぶ最終目的を考える。
90分
授業内容
QOLの向上をめざす栄養教育の概念・定義〜栄養・運動・休養の関わり〜   【リアクションペーパー】   
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の概念や定義をノートに整理し、QOLの向上という目的の意味をまとめておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第1章 1.2 を事前に読み、管理栄養士として携わる栄養教育を具体的に考える。
180分
第2回
授業内容
栄養教育の対象・機会・法的根拠   【リアクションペーパー】 
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の対象者や機会、法的根拠についてノートにまとめ、管理栄養士として携わる栄養教育の意図を整理する。
【事前予習】UNIVERSAL PASSPORT で配布された資料を読み、栄養教育を実施する手順を、流れに沿って考える。
180分
第3回
授業内容
栄養教育のためのアセスメント   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の最初に、なぜアセスメントが必要か、どのようなアセスメントをすべきかを、ノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】UNIVERSAL PASSPORT  で配布された資料を読み、栄養教育の対象となる、食事や運動、休養など生活行動の問題点とはどういうものがあるかを考える。
180分
第4回
授業内容
食事・運動・休養などの生活行動の問題点の明確化   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育においては、生活行動の問題点を明確化する必要性があり、その根拠となる正しいアセスメントが必須であることを理解し、ノートに整理する。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】UNIVERSAL PASSPORT  で配布された資料を読み、栄養教育をマネジメントするという意味を考える。
180分
第5回
授業内容
栄養教育マネジメントにおけるPDCAサイクル   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育をマネジメントするには、アセスメントに基づく生活行動の問題点の明確化という前提の上に、PDCAサイクルを動かすことが重要であることを理解し、ノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章 2.1 を事前に読み、効果的な栄養教育を行うための基盤となる行動科学について考える。
180分
第6回
授業内容
食事・運動・休養などの生活行動の変容を導く行動科学の理論やモデルの意義   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育を効果的に実施するためには、人間の行動変容を導く栄養教育を実施するために、行動科学を活用できることを理解し、ノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章 2.2.2(1)を事前に読み、効果的に、個人への栄養教育を行うための基盤となる行動科学を考える。
180分
第7回
授業内容
個人レベルの行動変容を導く理論やモデル   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】個人への働きかけを行う栄養教育を効果的に行うために活用できる行動科学の理論やモデルを、例を挙げてノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章 2.2.2(2)を事前に読み、効果的に、個人ならびに個人間へ働きかける栄養教育を行うための基盤となる行動科学を考える。
180分
第8回
授業内容
個人レベル、あるいは個人間の行動変容を導く理論やモデル   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】個人あるいは個人間の関わりへの働きかけを行う栄養教育を効果的に実施するために活用できる、行動科学の理論やモデルを、例を挙げてノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章 2.2.2(3)を事前に読み、効果的に、個人間へ働きかける栄養教育を行うための基盤となる行動科学を考える。
180分
第9回
授業内容
個人間の行動変容を導く理論やモデル   【ミニテスト】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】個人間の関わりへの働きかけを行う栄養教育を効果的に実施するために活用できる、行動科学の理論やモデルを、例を挙げてノートに整理し、個人への働きかけに用いる理論やモデルとの違いをまとめておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章 2.2.2(4)を事前に読み、効果的に、集団レベルへ働きかける栄養教育を行うための基盤となる行動科学を考える。
180分
第10回
授業内容
集団レベルで行動変容を導く理論やモデル   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】集団レベルでの働きかけを行う栄養教育を効果的に実施するために活用できる、行動科学の理論やモデルを、例を挙げてノートに整理し、個人あるいは個人間への働きかけに用いる理論やモデルとの違いをまとめておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章  2.5  を事前に読み、個人や集団の対象者を包んでいる、社会や環境の存在やあり方を考える。
180分
第11回
授業内容
組織づくり・地域づくり、食環境整備と個人の行動変容とのかかわり   【リアクションペーパー】   
事後学習・次回事前学習
【事後学修】個人や集団の対象者を包んでいる、社会や環境の存在を理解すると共に、それらを活用した栄養教育の在り方を、ノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章  2.3.1  を事前に読み、栄養教育の現場で用いるスキルとしてのカウンセリングとコーチングを考える。
180分
第12回
授業内容
生活行動の改善目標設定のための栄養カウンセリングと、目標達成へ導くコーチング   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の対人的な現場で用いるスキルとして、栄養カウンセリングとコーチングの意味と意図を理解し、例を挙げながらノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章  2.3.2  を事前に読み、栄養教育の現場で用いるスキルとして、行動変容技法を考える。
180分
第13回
授業内容
生活行動の改善を導く行動変容技法の種類と概念、活用方法   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の対人的な現場で用いるスキルである行動変容技法の意味と意図を理解し、例を挙げながらノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 第2章  2.2.2(5)を事前に読み、栄養教育の効率や効果を向上させるために活用できる理論やモデルの存在を考える。
180分
第14回
授業内容
栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル   【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学修】栄養教育の効果や効率を向上させるマネジメントを実施するためには、対象者だけでなく、その背景や社会や環境を把握することが必要であることを明らかにした理論やモデルを、例を挙げながらノートに整理しておく。過去の国家試験問題にも各自で取り組み、理解をしておく。
【事前予習】教科書「栄養教育論」 の該当箇所を、ノートと照合しながら読み直し、理解を深める。
180分
第15回
授業内容
まとめ
事後学習
すべての授業回で学んだことを整理し、管理栄養士として携わる栄養教育の意味と意図を明確に理解する。
90分

フィードバック
毎授業の最初に、前回の【リフレクションシート】の内容をフィードバックし、学習理解を深める。【ミニテスト】は、授業時間内に正解の発表や解説を行う。
評価方法および評価の基準
【リアクションペーパー】【ミニテスト】による授業への取り組み(30%)、筆記試験(70%)で評価し、総合評価60点以上を合格とする。合格点に満たなかった場合は再試験を実施する。
到達目標(1);授業への取り組み(  5%/30%)、筆記試験(10%/70%)
到達目標(2);授業への取り組み(10%/30%)、筆記試験(20%/70%)
到達目標(3);授業への取り組み(15%/30%)、筆記試験(40%/70%)


教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
栄養教育論
吉田勉監修・土江節子編著
学文社
978-4-7620-3142-7
推薦書・参考文献
【推薦書】武見ゆかり・足達淑子・木村典代・林芙美編集 〔健康・栄養科学シリーズ 栄養教育論〕 南江堂
【推薦書】武見ゆかり・赤松利恵編 〔管理栄養士養成のための栄養学教育モデル・コア・カリキュラム 人間の行動変容に関する基本〕 
【参考図書】厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定委員会報告書〔日本人の食事摂取基準2020年版〕 第一出版

履修上の助言、教員からのメッセージ
本科目は応用分野に属し、理論やモデルなど抽象的な内容が多い特徴がある。これらの内容は、記憶するだけでなく、活用するために学んでいると意識して受講することが望まれる。

総合評価60点以下の場合は、再試験を行う。実施日・教室・実施内容は、事前に授業内ならびにUNIVERSAL PASSPORTにて周知する。