シラバス情報

科目名
文芸文化ゼミⅡ 2Dクラス
担当教員名
石川 敬史
ナンバリング
EDj3085
学科
2020〜2024年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 芸術・文化コース 2年/2023年度 大学 非正規生 科目等履修生 2年/2020〜2024年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 多文化・共生コース 2年/2020〜2024年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度後期
授業形態
演習
単位数
1単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
司書としての実務経験のある者が,近年の公立図書館政策や自治体の動向,図書館活動・実務,出版流通の傾向を踏まえながら指導する。

ねらい
①科目の性格
本科目は,文芸文化学科・2年次生の専門必修科目(演習科目・後期)である。1年次「入門ゼミナール」,「基礎演習」,2年次前期「文芸文化ゼミⅠ」における学びの積み重ねを踏まえ,調査・研究(分析,考察)・発表(表現)の基礎を修得し,3年次の演習科目(「文芸文化テーマ研究ゼミ」)と4年次の「卒業研究」につなぐ科目として位置されている。
②科目の概要
この科目(ゼミ)では、モノに囲まれた本屋という読書空間の魅力を体感しながら、各地で個性豊かに誕生する本屋の意味と価値を考察します。具体的には、ゼミの前半では文献購読(教科書)により本屋や出版流通に関する基礎知識を共有し、受講生自身の意見や考えを整理していきます。毎週の課題提出は必須とし、受講生の発表から討議を重ねていきます。後半は、受講生の皆さんと分担して各地の本屋を対象に実地調査を行います。
③授業の方法(ALを含む)
本科目は演習科目のため,前半は文献講読に基づいたディスカッションやグループワーク,後半は「本屋」を対象とした実地調査を重ね,グループワーク,フィールドワーク,口頭発表などを取り入れた授業を行います。進行も学生が行い,意見交換やグルーワークを重視して行います。
「本屋」を対象とした実地調査(フィールドワーク)については,コロナの感染状況によって中止とし,Web等にもとづく調査に代替になる場合もあります。
レポート/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/フィールドワーク
④到達目標
1.多様な視角から問いをつくり,多様な調査方法(定性・定量)の長短を説明できる。
2.分析し考察する方法を取得し,本屋の実地調査に基づく情報を整理して,口頭発表を行うことができる。
3.読書空間から単に流行を追うのではなく、現代社会に生きる「ヒト」(書店主)の意志と哲学を読み解く(説明する)ことができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
ED②-3 比較文化的考察/ED③-2 課題発見・考察

第1回
事前学習
これまでの利用した身近な本屋・書店の立地,品ぞろえ,客層,特徴についてPowerPointにまとめること(口頭発表の準備も含む)。
90分
授業内容
オリエンテーション:自己紹介,演習の概要【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]「本屋」と「書店」の違いについてまとめる。本屋の利用経験を再考する。
[次回事前学修]教科書の「はじめに」を読み,同書の目的を理解する。
90分
第2回
授業内容
近年のユニークな「読書空間づくり」の再発見(1):書店,雑貨,カフェ【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書の該当箇所・取り上げたところを通読し,自分の意見・考えをまとめる。
[次回事前学修]次回,教科書で取り上げる箇所を通読する。疑問・質問を整理する。

90分
第3回
授業内容
近年のユニークな「読書空間づくり」の再発見(2):図書館,絵本【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書の該当箇所・取り上げたところを通読し,自分の意見・考えをまとめる。
[次回事前学修]次回,教科書で取り上げる箇所を通読する。疑問・質問を整理する。
90分
第4回
授業内容
テーマ設定:問題意識,興味関心領域の共有と分担【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書の該当箇所・取り上げたところを通読し,自分の意見・考えをまとめる。
[次回事前学修]次回,教科書で取り上げる箇所を通読する。疑問・質問を整理する。
90分
第5回
授業内容
調査の技法と種類
事後学習・次回事前学習
[事後学修]調査技法について,他の文献で特徴を調べる。教科書の該当箇所・取り上げたところを通読する。配布した資料を確認する。
[次回事前学修]調査に行く「本屋」の候補をあげる。Webや書籍で候補先を調べる。
180分
第6回
授業内容
情報・資料収集(1):「本屋」の調査
事後学習・次回事前学習
[事後学修]調査に行く「本屋」の候補をあげる。Webや書籍で候補先を調べる(調査の事前準備を行う)。
[次回事前学修]調査先において,質問することや重点的に調査することなど,調査項目を具体的に整理する。
180分
第7回
授業内容
情報・資料収集(2):「本屋」調査の項目を整理
事後学習・次回事前学習
[事後学修]ゼミでの発表,他の学生の報告を聞いて,調査先において,質問すること,重点的に調査することなど,調査項目を再検討する。
[次回事前学修]プレゼンテーションの準備を行う(PowerPointにて作成)。プレゼンテーションの技法について,事前に調べておくこと。

180分
第8回
授業内容
発表・表現(1):中間報告【プレゼンテーション】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]プレゼンテーションの振り返り(質問事項,修正事項,方法等)を振り返り,調査内容を再検討する。
[次回事前学修]教科書の該当箇所を通読する。疑問・質問を整理する。
180分
第9回
授業内容
フィールドワークの技法(書店,カフェ,図書館等を予定)【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書・配布資料の該当箇所を通読する。社会調査におけるフィールドワークの長所や短所について整理すること。
[次回事前学修]ゼミ生の調査内容を参考にしながら,調査先へ訪問する際の調査項目をさらに検討する。ノートや用紙等に質問項目を具体的に整理する。
180分
第10回
授業内容
インタビューの技法(書店主,編集者,図書館員を予定)【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書・配布資料の該当箇所を通読し,自身の考えを整理すること。
[次回事前学修]各地におめるさまざまな「本屋」と,調査先の「本屋」の特徴を比較検討してまとめること。
180分
第11回
授業内容
研究の技法:分析・考察へ【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]教科書・配布資料の該当箇所を通読する。
[次回事前学修]最終発表の準備をする(聞く側の視点になって,発表の全体構成を中心に検討すること)。
180分
第12回
授業内容
発表・表現の技法【グループワーク】【フィールドワーク(予定)】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]授業内容を踏まえて,自身の最終発表の準備を行う。
[次回事前学修]調査先へ訪問した内容を最終発表に反映する。事実のみの整理ではなく,考察や分析をスライドに反映させること。
180分
第13回
授業内容
発表・表現(2):最終発表,討議【プレゼンテーション】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]受講生の発表を聞いて,「本屋」の特徴や店主の価値観をまとめておくこと。
[次回事前学修]質疑・意見交換を踏まえて,最終レポート作成に向けて,考察・分析を進める。
180分
第14回
授業内容
発表・表現(3):最終発表,討議【プレゼンテーション】
事後学習・次回事前学習
[事後学修]受講生の発表を聞いて,「本屋」の特徴や店主の価値観をまとめておくこと。収集した資料を再度読み,自身の考えを整理すること。
[次回事前学修]質疑・意見交換を踏まえ,最終レポートの作成に向けて考察・分析を進める。
180分
第15回
授業内容
まとめ【レポート】
事後学習
・「本屋」とは何か,教科書に基づきながら「書店」と「本屋」の違いについて再度整理する。
・店主はなぜ「本屋」を開業したのか,受講生の発表や授業で取り上げた事例を踏まえてながらまとめておく。
・本科目で取り上げた「本屋」を開業した実践記(書籍)を1冊読んでおくこと。
180分

フィードバック
・本科目は演習のため,他の受講生による発表の評価や意見交換(議論)を行います。
・毎回の発表や意見交換の中でコメント・解説をします。
評価方法および評価の基準
授業中後の課題(40%),授業の参画・発表(20%),最終レポート(40%)とし、総合評価60点以上を合格とする。
目標1:課題(10/40),発表(5/20),最終レポート(10/40)
目標2:課題(10/40),発表(10/20),最終レポート(10/40)
目標3:課題(20/40),発表(5/20),最終レポート(20/40)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
これからの本屋読本
内沼晋太郎
NHK出版
フジショップで購入のこと。
推薦書・参考文献
教科書は授業で使用するので,必ず購入すること。
下記以外の参考文献は授業中に提示する。
・磯井純充『まちライブラリーのつくりかた:本で人をつなぐ』学芸出版社,2015
・内沼晋太郎『本の逆襲』朝日出版社,2013(ideaink, 10)
・田口幹人『まちの本屋』ポプラ社,2015
・福島聡『劇場としての書店』新評論,2002
・佐藤郁哉『フィールドワーク』増訂版,新曜社,2006
このほか,全国各地の「本屋」を対象としたガイドブックが多数刊行されている。

履修上の助言、教員からのメッセージ
・「本屋」とは何か? みなさんと一緒に考えていきましょう。「ゼミ」になりますので,学生のみなさんが主役です!
・進行も学生が行います。
・学生のみなさんとの意見交換を重視します。積極的なご発言をお願いいたします。