シラバス情報

科目名
保育内容の指導法(言葉) 1Cクラス
担当教員名
上垣内 伸子
ナンバリング
EAc3031
学科
2020〜2023年度 大学 教育人文学部 幼児教育学科 3年
学年
3年
開講期
2023年度前期
授業形態
演習
単位数
2単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
保育現場での保育経験と現任者研修指導、保育巡回指導の実務経験のある教員が、自身の保育実践と指導実績を活かした授業を展開する。

ねらい
①科目の性格
幼稚園教諭免許状および保育士資格取得のための必修科目であり、この科目を履修していることが幼稚園教育実習、保育実習Ⅰ(保育所)、保育実習Ⅱを履修して実習を行うための必要条件となっている。
②科目の概要
発達理解、保育援助、教材研究、自身の言葉への感性を育むという、4つの観点に立って授業は構築されている。子どもを受容し安心感を育てる言葉かけ、遊びの発展を促す言葉かけ、気持ちや考えを友だちに伝えたり聞こうとする態度を育てる言葉かけなどの保育援助を考える。後半には、保育案を作成、絵本の読み聞かせ、劇遊び、絵本制作を行う。文化の作り手としての自己を啓発することを望むものである。
③授業の方法(ALを含む)
テキストや資料を活用した乳幼児の発達、領域「言葉」のねらいと内容などの理解を促す学習、事例を活用した保育援助の学習、指導計画作成と実技に取り組む教材研究の学習、言葉に対する感性を高めることを目的とした創作活動と発表を行う。演習授業であり、作品の作成と鑑賞、模擬保育、教材研究などを通して、リアリティのある学びを目指す。グループワークや発表の機会が多くもたれるので、主体的な参加が求められる。
ミニテスト/実技、実験/レポート/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/ロールプレイ・模擬授業/創作、制作
④到達目標
1.幼稚園教育要領・保育所保育指針・認定こども園教育保育要領に示される領域「言葉」の指導法について理解し、説明することが出来る。
2.乳幼児の自己表現とコミュニケーションについて多面的に理解し、その知識を活用して保育実践を行うことが出来る。
3.絵本等の児童文化財についての教材研究を行い、計画を立てたり、実践したりすることができる。
4.詩作や絵本作り、劇遊びなどを通して、言葉に対する感覚を養い、豊かに表現することが出来る。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EA①-3 保育実践/EA②-4 保育者の感性/EA③-2 成長発達の支援、積極性

第1回
事前学習
乳幼児期の言葉とコミュニケーションの発達について、これまで学習したことを整理し、復習しておく。
90分
授業内容
コミュニケーション能力の発達:乳幼児期の言葉とコミュニケーションの発達の理解 【ミニテスト】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について整理しておく。特に、十分な内容を記述できなかった事項については復習しておく。授業で確認した内容を加筆し、乳幼児の言葉の発達についてのレポートを完成させる。(90 分)
[次回事前学習]子どもの言葉の表現特性の理解のために、これまでの実習や日常生活場面で遭遇した子どものつぶやきや親子の会話を採集し、その心情についてまとめておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第2回
授業内容
子どもの詩の鑑賞/「子どもの言葉」の表現特性とその後ろにある心情の理解 【討議・討論】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について整理しておく。授業での討議や仲間の意見を踏まえて、子どもの詩を手がかりに、心情理解に努める。子どもの詩を見つけて鑑賞する。(90 分)
[次回事前学習]これまでに作られたphoto俳句の作品を鑑賞しておく。身近な出来事や身の回りの風景、光景に関心を持って観察しておく。俳句という文学表現について予習する。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第3回
授業内容
十文字のキャンパスをキャンバスにphoto俳句を一句。デジカメで撮影したシーンに575を付ける。子どもへの言葉かけと俳句の共通性について考える。発表しお互いの作品を鑑賞する。【創作、制作】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]作成したphoto俳句をパワーポイントスライドにレイアウトして課題とし提出する。クラス全体のスライドをまとめ、音楽を付けて一連の作品にまとめる。(90 分)
[次回事前学習]一回目の授業で扱った子どもの言葉の発達特徴や、二回目の授業で扱った子どもの詩などから、子どものコミュニケーションの特性について自分なりに考えを整理しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第4回
授業内容
実際の子どもの姿から「子どもの言葉」について考える①子どものコミュニケーション様式
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について質問項目として整理しておく。(90 分)
[次回事前学習]UNIVERSAL PASSPORT で配付した資料に目を通し、ごっこ遊びの特徴についても考えておく。自分自身が子どもの頃よく遊んだごっこ遊びや実習で見かけたごっこ遊びについて、発表できるように整理しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第5回
授業内容
実際の子どもの姿から「子どもの言葉」について考える②遊びの中の言葉/ごっこ遊びの中での会話(メタコミュニケーションとコミュニケーション)
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について質問項目として整理しておく。ごっこ遊びの中での会話の特性について、確認しておく。(90 分)
[次回事前学習]UNIVERSAL PASSPORT で配付した資料に目を通し、保育の中での保育者の言葉掛けについて、考えを整理しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第6回
授業内容
実際の子どもの姿から「子どもの言葉」について考える③−1保育者の言葉と援助(実践記録を基にした学習)。保育者の言葉かけの意図や担任保育者と実習生の言葉かけの違いについて考えてみる。模擬保育のように具体的な場面を想定して言葉掛けをしてみる。【ロールプレイ】【ケースメソッド】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]保育の中での保育者の言葉掛けについて、授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について質問項目として整理しておく。(90 分)
[次回事前学習]幼稚園教育要領解説の指定箇所を読み、保育者の援助や保育者の役割について、確認しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第7回
授業内容
実際の子どもの姿から「子どもの言葉」について考える③−2保育者の言葉と援助(映像による学習) 【討議・討論】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]保育の中での保育者の言葉掛けについて、授業で取り扱ったエピソードを思い返し、仲間との討議内容を踏まえて、言葉かけによる援助のポイントについて整理する。(90 分)
[次回事前学習]年齢や季節を考えながら、子どもに読み聞かせをしてみたい絵本を選んでおく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第8回
授業内容
文化財としての絵本と紙芝居、他の伝達媒体の役割と活用(情報機器の活用を含む)/教材研究
自分が選んだ絵本の作品研究と読み聞かせの際の留意点を確認して、実際に読み聞かせを行い、お互いに講評しあって、スキルアップを目指す。【ロールプレイ】【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]仲間から指摘された点を踏まえて、絵本の読み聞かせや紙芝居の演じ方の復習をする。(90 分)
[次回事前学習]絵本の読み聞かせの指導計画(部分案)を作成する。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第9回
授業内容
文化財としての絵本と紙芝居②/指導計画の作成(情報機器の特性に応じた活用方法)
絵本の読み聞かせの指導計画を作成し、ねらいと内容、環境構成、援助のポイントについての理解を深める。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]作成した指導計画の適切性を確認して、改善に努める。異なる年齢や教材、保育場面を設定して指導計画を作成してみる。(90 分)
[次回事前学習]指導計画に基づいて、実際に読み聞かせ場面を想定して実践してみる。模擬保育室を活用して、仲間と協力し合って練習しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第10回
授業内容
文化財としての絵本と紙芝居③/読み聞かせ場面など児童文化財を活かした実践場面の模擬保育 【模擬授業】
前週までに作成した指導計画に基づいて、保育者役と子ども役になって、0歳児クラスから5歳児クラスまでの模擬保育を行う。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]模擬保育を行って見いだした課題について整理し、さらなるスキルアップに努める。(90 分)
[次回事前学習]様々な劇遊びについて、その特性について整理しておく。子どもの頃に楽しんだ言葉遊びにはどのようなものがあったか、その魅力が何か考えてみる。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第11回
授業内容
言葉遊び・劇遊びの体験/言葉の楽しさや美しさに対する感覚 【グループワーク】【ロールプレイ】
実際に言葉遊びをしたり、グループで簡単な劇を演じてみる。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]言葉遊びや劇遊びを実際に行って見いだした援助のポイントや、自身の課題について振り返って整理しておく。授業で扱った教材以外の劇遊びについても調べてみる。(90 分)
[次回事前学習]現行の幼稚園教育要領とUNIVERSAL PASSPORT で配付した戦後の保育要領と幼稚園教育要領の言葉の領域の内容に目を通し、それぞれの特徴とその変遷について確認しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第12回
授業内容
領域「言葉」の変遷と現代的課題 【レポート(知識)】
戦後の保育要領から現行の幼稚園教育要領の領域言葉のねらいと内容を比較し、その変遷をとらえると共に、領域言葉の今日的課題について考察する。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業内で学習したことを踏まえて、戦後の保育要領から現行の幼稚園教育要領の領域言葉までの変遷を整理し、領域言葉の今日的課題についてレポートを作成する。(90 分)
[次回事前学習]幼稚園教育要領解説から、保育の中での文字や数の扱いや指導について示された箇所を読み、整理しておく。自分の子ども時代の文字や数、記号との出合いや、実習園での扱いについて想起して整理しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第13回
授業内容
文字・数・記号の獲得と保育。実践記録や保育エピソードを読んだり、園環境の中での文字や数、記号の用いられ方に関する映像を見て、望ましい文字や数、記号との出会いやその援助、環境構成について考える。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について質問項目として整理しておく。自分なりに援助と環境構成を構想してみる。(90 分)
[次回事前学習]言葉の発達の遅れやゆがみ、コミュニケーションの難しさを伴う発達障害について、これまでの授業で学んだことを参照しながら整理しておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第14回
授業内容
気になる言葉の遅れや問題。それへの援助(対象児に対して、クラスの子ども達に対して、保護者に対して)。
事後学習・次回事前学習
[事後学習]授業で取り扱った内容を見直し、理解が不十分な内容について質問項目として整理しておく。それぞれの障害特性に応じた援助について整理し確認しておく。(90 分)
[次回事前学習]UNIVERSAL PASSPORT で配付した資料に目を通し、必要な物を準備したり、自身の言葉に対する感性を高める努力をしておく。( 90分)
所要時間は記述内容を参照
第15回
授業内容
絵本作りと合評 【創作、制作】
絵のない絵本、偶然の要素を生かす絵本の製作と合評を行う。 
事後学習
[事後学習]授業で制作した絵本を推敲し言葉をより洗練したものにして完成させる。(90分)
所要時間は記述内容を参照

フィードバック
授業課題は、次週以降にそれを活用した授業を行い、解説し返却する。作品は、合評会を行い鑑賞後返却する。
評価方法および評価の基準
授業内容に関する課題提出とミニテスト(60%)、学期末のレポートと作品の提出(40%)とし、総合評価60点以上を合格とする。
到達目標 1.課題提出( 10%/60%)、レポート(10%/40%)
到達目標 2.課題提出・ミニテスト (20%/60%)、レポート(10%/40%)
到達目標 3.課題提出( 20%/60%)、レポート(10%/40%)
到達目標 4.課題提出( 10%/60% )、レポート ・作品提出(10%/40%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
幼稚園教育要領解説
文部科学省
フレーベル館
978-4-577-81447-5
保育所保育指針解説
厚生労働省
フレーベル館
978-4-577-81448-2
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説
内閣府・文部科学省・厚生労働省
フレーベル館
978-4-577-81449-9
推薦書・参考文献
授業開始時に指示する。

履修上の助言、教員からのメッセージ
毎月1回の小レポートと期末レポートの提出が必須です。グループワークや発表の機会が多くもたれるので、積極的な学習参加に努めて下さい。言葉に対する感性を養いましょう。