教員名 : 林 恵
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科目名
多文化保育論
担当教員名
林 恵
ナンバリング
EAb3018
学科
2020〜2023年度 大学 教育人文学部 幼児教育学科 3年
学年
3年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
保健センター発達相談員、児童相談所心理判定課心理判定員、外国人児童支援NPO所属の実務経験を活かし、具体的な事例や場面を示しながら、実践に結びつく講義をおこなう。
ねらい
①科目の性格
幼児教育学科の「保育と教育」の卒業要件選択科目。
保育の多文化化・国際化に対応できる保育士の育成を目的とし、多文化という状況と共にあるインクルーシブな保育について、その理論と実践を学ぶ。外国文化を背景に育つ子ども、性的違和をもつ子ども、障害のある子どもとろう文化に関係した教育などの理解を深める。 シラバスは予定であり、履修者のニーズや興味、あるいはその時話題になった子どもに関する時事問題を取り入れ臨機応変に対応する。 ②科目の概要
異なる文化で育つ子どもたちの状況と対応を学ぶ。近年の保育施設での子どもへの対応や保護者支援など、小学校以降への将来を見通した保育を学ぶ。文化を外国文化だけに限定するのではなく多様な背景を知り、自己の価値観を認識、転換する機会とする。
③授業の方法(ALを含む)
講義、動画の視聴、ディスカッションを基本におこなう。
授業の進行の状況により、フィールドワークを取り入れる。 スマートフォンを用いた外国語翻訳をおこなう。 ミニテスト/リアクションペーパー/グループワーク/プレゼンテーション/フィールドワーク/ICT
④到達目標
多文化とは何か、またその状況を説明できる。
多文化保育の意義について理解し、説明できる。 多文化保育における教育方法の基本的理論と実践を理解し、説明できる。 ⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EA②-1 子どもの人権尊重/EA③-3 社会的事象への関心/EA③-5 問題意識、解決に取り組む姿勢
第1回
事前学習
シラバスを確認する。
文化とは何かについて調べ、自分はどのような文化で育ってきたかを考える。 90分
授業内容
授業概要の説明
文化とは何かを考え、多文化保育の意味について知る。 ダイバーシティ、インクルージョンなどの言葉について理解をする。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
授業の内容を振り返り、多文化状況が生み出す具体的な事象について考える。
180分
第2回
授業内容
記録ドキュメンタリ—映像『青い目、茶色い目』を鑑賞。なぜ多文化共生の授業が必要なのかを考える。
【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
子どもが差別意識を身に付ける過程をドキュメンタリー映画と関連させてまとめ、保育・教育に関わる身として何に気を付けたらいいかをまとめる。
180分
第3回
授業内容
現在、日本に滞在している外国人の状況や背景を学ぶ。
オールドカマーとニューカマーの状況、その子どもたちの様子などを知る。 特に日本の移民の歴史や労働者とその家族として入国した外国人について学ぶ。 課題となるフィールドワークの発表について説明をおこなう。 フィールドワークのテーマは「日本の中の外国を探す」詳細は授業内で伝える。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
日本に入国する外国人への政策についてまとめ、その問題を整理しておく。
フィールドワークは発表までに各自で実施しておく。 180分
第4回
授業内容
ニューカマーの人を中心とした言葉の問題について学ぶ。子どもの言語獲得の理論について知り、幼児期における対応の方法を理解する。
【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
ダブルリミテッドバイリンガルについてまとめる。
保育をするにあたり、注意しなければならない事項についてまとめる。 180分
第5回
授業内容
日本に暮らす外国の子どもの様子の動画を視聴し、その実際を知る。
外国人保育者について知り、その意義を学ぶ。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
動画サイトなどから外国の子どもたちの様子を視聴し、授業とあわせて考えをまとめる。
外国人に対する差別事例などを調べ、何が差別意識を生み出すのかを考える。 180分
第6回
授業内容
記録ドキュメンタリ—映像『青い目、茶色い目』を視聴し、何が差別意識を生み出すのかを考える。
アンコンシャスバイアス、隠れたカリキュラムについて学び、保育者の子どもへの影響を知る。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
自分のアンコンシャスバイアスを知り、保育者になった場合にどのような意識が必要かをまとめる。
LGBTQについて調べる。 180分
第7回
授業内容
SOGIに関する事項について学ぶ。
性的な違和をもつ子どもについての動画を視聴し、保育者としてどのような対応をしたらよいかを考える。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
SOGIについてまとめる。
こども基本法、児童の権利条約、子どもの意見表明権などについてまとめる。 180分
第8回
授業内容
日本語と手話で学ぶ明晴学園の動画を視聴し、聴覚障害者の文化(ろう文化)について学ぶ。
言語やコミュニケーションの定義について考える。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
第8回までの授業を振り返り、総合的な理解を深める。
自分の気になる外国の幼児教育について調べる。 180分
第9回
授業内容
外国の保育方法について知る。
香港、台湾、中国などのアジア、移民の多いドイツやカナダ(オンタリオ州)の保育について学ぶ。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
自分の興味のある外国の保育について調べ、簡単なレポートにまとめる。
180分
第10回
授業内容
それぞれが興味をもった外国の保育について、発表や紹介を行う。
各国の言葉と宗教について学び、配慮事項について理解を深める。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
各国の言葉と宗教とその対応についてまとめる。
外国人の保護者に向けて、保育に関する連絡事項をどのように伝えるかを考える。 180分
第11回
授業内容
ICTを利用したコミュニケーションの取り方を知る。
クラスだよりを日本語で作り、任意の言語で外国人の保護者用のクラスだよりを制作する。 【ICT】【リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
自宅のPCやスマートフォンなどの翻訳等使用して、理解を深める。
ICTではできない保育の部分を考える。 日本の保育や教育の特徴を整理する。 180分
第12回
授業内容
外国人からみた日本の保育について考える。
様々な国の保育を念頭に、日本の保育の良さについて学ぶ。 【ミニテスト・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
日本の保育の特徴について整理する。
フィールドワーク「日本の中の外国を探す」の結果をまとめ、発表に向けて準備をする。 180分
第13回
授業内容
フィールドワーク「日本の中の外国を探す」の結果をまとめ、発表に向けて準備をする。
【フィールドワーク・グループワーク・ディスカッション】 事後学習・次回事前学習
フィールドワーク「日本の中の外国を探す」の結果をまとめ、発表に向けて準備をする。
180分
第14回
授業内容
フィールドワーク「日本の中の外国を探す」の結果報告を行う。
【プレゼンテーション・リアクションペーパー】 事後学習・次回事前学習
今までの授業を振り返り疑問点をまとめておく。
日本はどのように多文化社会と向き合うのか自分の意見をまとめる。 180分
第15回
授業内容
全体のまとめと復習
これからの日本がどのように多文化社会と向かい合っていくのかを考える。 多文化社会の中で保育の場が担っていることについて整理する。 事後学習
半期で学んだことを基に、レポート作成の準備をする。
90分
フィードバック
授業ごとに小テストを実施。小テストはリフレクションシートを兼ねる。
記入内容については次回授業内でフィードバックをおこなう。 発表内容についてはその都度コメントをする。 評価方法および評価の基準
授業内の発表、参加度、貢献度30%、小テスト35%、レポート35%(レポート提出は必須とする)を基準に評価を行う。
全体を通して、①多文化とは何か、またその状況を説明できるか、②多文化保育の意義について理解し、説明できるか、③多文化保育における教育方法の基本的理論と実践を理解し説明できるか、を確認し総合的に判断する 教科書
推薦書・参考文献
咲間まり子編『多文化保育・教育論』(株)みらい(2014年) ISBN: 978-4-86015-319-9
泉千勢編著『なぜ世界の幼児教育・保育を学ぶのかー子供の豊かな育ちを保証するために』ミネルヴア書房(2017) ISBN: 978-4-623-07855-4 履修上の助言、教員からのメッセージ
資料は授業内で配布します。小テストは忘れずに受けるようにしてください。
ニュースや新聞などから国の政策について知ることで理解を深めることができます。 授業内での私語は厳禁です。質問はいつでも受け付けます。授業内でも遠慮なく質問をしてください。 |