教員名 : 山本 茂
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科目名
食文化論
担当教員名
山本 茂
ナンバリング
NBa2054
学科
2021年度 大学 社情デザイン学部 社情デザイン学科 2年
学年
2年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位
実務経験の有無
無
実務経験および科目との関連性
無
ねらい
①科目の性格
この授業は、系統的に栄養学を教えるものではありません。 栄養学に興味をもっていただくためのものです。知識だけでなく、議論する課題が多いと思いますので、活発な意見交換ができるといいのですが。
②科目の概要
食と健康に関する新しい知識を学ぶと同時に、多くの誤った食と栄養に関する知識について考える。皆さんの思いこんでいる食と健康に関する知識にどれほどの間違いがあるのかも、認識してもらいたいことが沢山あります。特に、管理栄養士、栄養士など食のプロになる人は、患者さん、住民に誤った情報を伝えることは問題です。
③授業の方法(ALを含む)
講義形式。 活発な質疑応答を願う。
レポート/ディスカッション/ディベート/レポート(表現)
④到達目標
栄養学、食事学、食文化など食に関する興味と正確な知識をもってもらうこと。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NB①-1 食・栄養・健康の基礎知識
第1回
事前学習
特別には必要ない。
授業内容
第一回 コメは肥満や糖尿病の原因になるか。
米を食べる日本人と、あまり食べないアメリカ人で、肥満や糖尿病の割合の違いを知る。 学校給食では、1週間5回の給食で約3.5階の米食を指導するのは誤った国の方針なのか? これらについて議論し、正しい知識を獲得する。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第2回
授業内容
第2回 アジア人は糖尿病になりやすか。
日本人とアメリカ人の糖尿病罹患率の割合は、人口調整をすると日本約5%、アメリカ約10%である。このような事実を示しながら、糖尿病の原因を考える。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第3回
授業内容
第3回 ダイエット 高蛋白質食 VS 高糖質食
体重はエネルギーの摂取と消費とのバランスに依存すると考えられてきましたが、最近、高糖質食は体重を増加し、高たん白質食は体重を低下するという考えの人が増えてきました。 この考えに基づいて、痩せるために米、など炭水化物の多い食事を避ける人が多い。この事実は正しいのか。 たん白質の摂取量は、世界でも摂取エネルギーの13-16%の狭い範囲に無意識にとっている。一方、炭水化物や脂肪は、30-60%、20−40%という大きな幅でとっている。たん白質をエネルギーの20%以上にしない理由が、生体内の代謝にあるのであろう。それを会えば20−30%にるることの健康上の問題はないのであろう。皆で、これらのことを考えていきたい。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第4回
授業内容
第4回 米:脚気論争
太平洋横断の練習艦「龍驤」 海軍は軍医高木の食と健康管理のもと、1882年(明治15年)12月出航、ニュージランド、南米チリ、ハワイ 1983年9月帰国した171名の水兵のうち半分が脚気になり、うち25名が死亡。 高木は翌年「龍驤」と同様のコースを囲る実験を行った。食事は白米の代わりにパンとし、牛肉、野菜、魚・などを加えた洋食にした。333名の水兵に殆ど脚気患者は発生しなかった。高木はこれにより、脚気の原因は栄養障害にある、と確信した。つまり、脚気は白米の摂取による特定物質の欠乏症と考えたのである。 日清戦争(1894明治27年)では4万人を超える脚気患者がでて死者が3944名が死亡、戦死者は293名で、脚気死亡者が銃弾よりも10倍以上であった。• 病死者の多くは脚気心によるものだったとされています。 10年後の日露戦争( 1904年明治37年)は陸軍の悲劇を決定的なものにした。陸軍では20万人が脚気になり、死者は2万8000人に達した(戦死者総数4万7000人)。ロシアの兵隊からは、日本兵は酒に酔って攻撃してくるとまで言われた。この間の海軍での脚気患者は僅かに数十名で死亡者はゼロだった。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第5回
授業内容
第5回 米食と肉食の思想
和歌山県大地町では伝統的にイルカ漁がおこなわれる。これに対して、欧米のある種の団体は、無駄に命を奪うとして非難し、映画はドキュメント映画賞をとった。日本人にとっては、生きるための食文化である。欧米の人が、牛、その他の価値を食べるのは問題はないのだろうか。犬を食べる民族もある。このような食文化は、どのように生まれたのか。それに対して非難はできるかを考えてみたい。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第6回
授業内容
第6回 日本人の食生活は欧米化したか?
欧米化の定義が人々によって異なる。一般的に想像する欧米化は、肉料理が多いこと、油脂の利用が増えたこと、ハンバーガーのようなファーシトフードの一般化であろうか。 我々の比較は、日本がまずしかった1970年以前の食事との比較ではなかっただろうか。歴史上、日本人の食生活が豊かであったというようなことはあっただろうか。欧米のファーストフードを非難する前に、それらよりも世界を席巻する日本のインスタントラーメンについては、非難の対象にならないのだろうか。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第7回
授業内容
第7回 大豆は地球を救う
最近の大豆製品は大変おいしくなっています。大豆肉も、本物とそん色がないような料理も作れるようになりました。大豆をより多く利用することで、肉の消費量を低下させて得られる利点について考えていきます。地球温暖化の防止まで効果があるのには驚くことでしょう。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第8回
授業内容
第8回 大豆の伝統的食文化と新しい食文化
日本では、大豆色々と加工してきました。中でも豆腐や豆乳はよく用いられます。新しい技術では、大豆ヨーグルト、チーズ、などもできます。また、インドネシアの伝統食テンペも、おいしいものです。タイでは、大豆うどんもあります。 大豆からはもっと豊かな食文化が生まれそうです。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第9回
授業内容
第9回 アジアの子供の肥満
つい、10年、20年前までは子供の低栄養問題が地球上の最大の課題のようでもありました。ところが、その子供たちの肥満率の増加がすごいのです。東アジアをみても、子供の肥満率は日本は8%以下ですが、その他大部分の国では20%、30%を超える国が多くなっています。なぜこのようなことが起こっているのか、その対策はといったことについて話し合っていきたいと思います。 事後学習・次回事前学習
講義についての質問を与え、レポートを出す。
第10回
授業内容
第10回 たん白質カシオコアーの原因について考える。
低栄養で最も有名なのは、たんぱく質・エネルギー欠乏症です。それが、今では子供では減り、高齢者で増えています。その改善ほうほうは、どうすればいいのでしょうか。 以外にも脂肪が役立つかもしれません。皆で考えてみましょう。 事後学習・次回事前学習
講義についての課題・質問を与え、レポートを作成してもらう。
第11回
授業内容
第11回 沖縄の人たちは何故世界一の長寿になり、そから没落したか。
2000年ころまで、沖縄は世界一の長寿地域でした。しかし、そこからどんどんと没落し、今では日本の平均的なところになってしまいました。その原因は何でしょう。よく言われる豚の利用の意味は何でしょう。また私は、琉球大学で1980、90年代に約10年勤務していました。その時に研究は、違った角度から栄養学を見ることができると思います。ぜひ一緒に考えていかいたいです。 事後学習・次回事前学習
講義についての課題・質問を与え、レポートを作成してもらう。
第12回
授業内容
第12回 カルシウムの生体の最重要な役割は骨?
アメリカの有名な大学にイエール大学があります。そこの研究者が、世界中の論文を集めて整理しましたところ、カルシウム摂取量が多い地域ほど骨折率が高いという逆説的な話がでてきたのです。 また、カルシウム栄養の逆説は、カルシウム摂取不足の人のほうが血液や抹消組織のカルシウム濃度がたかく、一時前まではカルシウムのとりすぎといわれた時代がありました。 人類誕生・進化の歴史をみたとき、カルシウムは骨のためにあったのではなく、むしろ逆に骨は体に必要なカルシウムの貯蔵庫であったのです。 栄養学は、わかっているようでわかっていない、とても興味深いものです。 事後学習・次回事前学習
講義についての課題・質問を与え、レポートを作成してもらう。
第13回
授業内容
第13回 ボディイメージの民族差
日本人は、世界でもっとも、やせた体型を好む民族だと思います。しかし、日本も一時まで迄は、太っているほうが貫禄があるとか、豊かに見えるという時代がありました。多くの発展途上国では、太っているほうが健康的である、子供はかわいいという考えがありますから、食べる量に制限がかかりません。赤ちゃんにチョコレートのようなものを上げるのも普通です。 また、日本人では、提供された食事は全部食べるのが礼儀と考えますが、東南アジアのほとんどの国では、食べてしまうと足りなかったという気持ちが起こるようです。 同じ親切な気持ちの表現でも逆になってしまうことがあるのですね。皆で考えましょう。 事後学習・次回事前学習
第13回 伝統的な日本食は健康食か?
最近の食事は欧米化したので、伝統的な食事に戻ろうとよく言われます。日本人は、そんなに望ましい食生活をしていたでしょうか。私が皆さんの年齢になる1970年代ころまでは、日本人は米が食べれればよかった。米とたくあん。 卵などあれば立派なものでした。コメどころか、多くの人は安い麦を食べていました。米と麦を一緒に炊くと、コメは重いので下に沈むのです。優しい母親は、子供たちに淋しい思いをさせないために、弁当はまずそこのほうの米をとって入れたものでした。 伝統的日本食がいいというのは、それは豊な生活をしていた人たちの食事だと思います。 あたかも、日本中の人たちが、健康的な望ましい食生活をしていたというのは幻想ではないでしょうか。一緒に考えましょう。 第14回
授業内容
第14回 野菜料理の民族差
私は、約10名の東南アジア諸国からの大学院留学生をもっています。彼らが一番驚くのは、野菜料理がおいしいことのようです。私は、そのことを研究するようになってて、日本の野菜料理は、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ブリ大根、おでんなどなど、肉・魚と野菜を一緒に料理するのですね。だから野菜がおいしい。東南アジアでは、野菜は油いためが中心です。欧米は、もっと単純で、肉は肉だけ、野菜は野菜だけといった手のかからない料理かと思います。 言い換えれば、日本の食文化は発達していると思います。このような料理法を、諸外国に伝えていくのは、とてもいいことではないかと思います。皆さんと話し合いましょう。 事後学習・次回事前学習
講義についての課題・質問を与え、レポートを作成してもらう。
第15回
授業内容
第15回 高齢者の栄養、薄切り肉は日本の食文化
最近、世界中の人たちの寿命が長くなってきました。高齢者では葉が悪い人がおおく、咀嚼機能が落ちるために、肉のような硬いものが食べにくくなります。日本で売られている肉は、ほとどん薄切り肉です。私は、海外での生活がながかったのですが、まさか薄切り肉が日本特有のものであるということを知ったのは、自分が年取ってきて初めてでした。今、ベトナムから来た大学院生が、日本の薄切り肉と、ベトナムの包丁でスライスにした肉の食べやすさ、味などをベトナムの高齢者で比較しています。そしてとても食べやすいという結果が得られています。近いうちに、日本の薄切り肉が世界の文化になるかもしれませんね。 事後学習
講義についての課題・質問を与え、レポートを作成してもらう。
フィードバック
学生の反応をよく見極めながら、授業の改善を図る。
評価方法および評価の基準
主席、質問、レポートの内容で評価する。毎回、授業内容に関する課題を出し、レポートを提出してもらう。
教科書
推薦書・参考文献
米食・肉食の分解
肉食の思想 高木兼弘を知っていますか。 白い航跡 履修上の助言、教員からのメッセージ
講義ないように興味をもち、質問をしてもらいたい。講義の問題点などについても意見をぶつけて欲しい。
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