教員名 : 石川 敬史
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科目名
文芸文化テーマ研究ゼミ 0Gクラス
担当教員名
石川 敬史
ナンバリング
EDj4086
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 芸術・文化コース 3年
学年
3年
開講期
2023年度前期、2023年度後期
授業形態
演習
単位数
2.00単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
司書としての実務経験のある者が,近年の公立図書館政策や自治体の動向,図書館活動・実務,出版流通の傾向を踏まえながら指導する。
ねらい
①科目の性格
本科目は文芸文化学科3年次の必修科目(通年)である。これまでに共通科目や専門科目,司書課程科目にて学んだ内容を踏まえ,自身が追究するテーマを明確にして専門分野への考究を深めることを目的とする。次年度の4年次における卒業論文の提出(「卒業研究」の履修)を目標に,調査・研究を少人数で深め積み重ねる演習科目である。なお,学科でのクラス配当に基づき履修登録すること。
②科目の概要
図書館とは単なる「館(やかた)」ではなく,社会を創るシステムの一部である。本ゼミでは「図書館史」「日本公共図書館史」を中心に,図書館サービス・文庫・読書・司書・書店・出版流通など,受講生の興味・関心に応じつつ,幅広い「現場」も研究対象として授業を進めていく。各地の実践や活動の場を調査(文献・現地調査)し,メンバーとともに社会教育の視角からその社会的意義を理解し習得する。
③授業の方法(ALを含む)
本科目ではグループワークやディスカッションなど主に演習を中心に展開する。具体的には,前半は近現代の日本公共図書館史の基礎文献を読み進める。同時に,産学連携プロジェクトを通して,ゼミメンバー全員で調査研究方法を習得する(夏期のインターンシップも奨励)。後半は,文献購読や各自の研究テーマを調査し,その結果について口頭発表を重ねて,卒業研究のテーマを深める。学外の機関の見学・調査を行う場合もある。石川ゼミのメンバー内で議論し,意見交換しながら授業を進めていく。
レポート/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/実習・インターンシップ/フィールドワーク/サービスラーニング/PBL
④到達目標
積極的・主体的にゼミ活動に参加することを期待する。以下を到達目標とする。
1.自身の興味関心から今後調査研究するテーマ(問い)を構築することができる。 2.自身のテーマに沿った調査方法の基礎を修得・理解し,説明することができる。 3.ゼミメンバー内で積極的に議論し,自分の考えを相対化することができる。 4.卒業論文の執筆に向けて,基礎知識,調査の方向性(スケジュール)を整理・作成することができる。 ⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
ED②-3 比較文化的考察/ED③-2 課題発見・考察/ED③-3 価値観の創造、発信
内容
本科目は通年の演習のため,各回の内容を固定することは難しい。文献購読,産学連携プロジェクト,学外での口頭発表のスケジュールなどについて,前期・後期の計画は概ね以下の通りである。
■テーマ 公共図書館の歴史を読み解く ■キーワード 図書館 図書館史 司書 社会教育 学習論 地域 ■前期:各授業回180分の事前学修・事後学修を求める。(回数はあくまで目安である。) (1)【1-7回】近現代の日本公共図書館史に関する名著である4冊の図書の講読を進める。【グループワーク】【ディスカッション】【プレゼンテーション】【レポート】 ・都市・農村と図書館、読書運動、選書論、図書館の自由、附帯施設論争、家庭・地域文庫、図書館法制などの図書館史を理解する。 ・過去との連続性や断絶性を考察する中から現在の公共図書館の理念を受講生とともに毎回議論する。 ・文献の担当箇所を決めて口頭発表する。 (2)【8-15回】産学連携プロジェクトへの参画。【サービスラーニング】【インターンシップ】【グループワーク】【ディスカッション】【プレゼンテーション】 ・企業との産学連携プロジェクトを通して,チームでプロジェクトを進行する方法や,口頭発表の技法,調査研究方法の技法を学ぶ。 ・公共図書館や図書館系企業へのインターンシップを奨励する。公共図書館や図書館関連企業等の経験を通して、生涯にわたるキャリア形成を省察する。 ・産学連携プロジェクトを通して,大学と現場とを往復する意義を理解し,社会教育機関としての公共図書館の価値を議論・考察する。 ■後期:各授業回180分の事前学修・事後学修を求める。(回数はあくまで目安である。) (1)【1-4回】近現代の日本公共図書館史に関する名著である4冊の図書の講読を進める。【グループワーク】【ディスカッション】【プレゼンテーション】【レポート】 ・都市・農村と図書館、読書運動、選書論、図書館の自由、附帯施設論争、家庭・地域文庫、図書館法制などの図書館史を理解する。 ・過去との連続性や断絶性を考察する中から現在の公共図書館の理念を受講生とともに毎回議論する。 ・文献の担当箇所を決めて口頭発表する。 (2)【5-10回】産学連携プロジェクトへの参画。【サービスラーニング】【インターンシップ】【グループワーク】【ディスカッション】【プレゼンテーション】 ・産学連携プロジェクトの成果を学外にて口頭発表する(企業の本社,図書館総合展でのフォーラムを予定)。その準備も進める。 ・インターンシップ経験の成果や課題を受講生とともに共有する。 (3)【11-15回】卒業研究テーマの検討。【グループワーク】【ディスカッション】【プレゼンテーション】 ・4年次の卒業論文を視野に入れ,受講生の卒業論文のテーマ,研究動機,研究目的,研究方法について検討し,ゼミメンバーと共有する。 ・各自のテーマに関する先行研究を収集し,特徴や傾向を分析する。 前期・後期を通して,「学問」と「実践」の両面の活動を通して、地域と伴走する「成長する有機体」をメンバーと共同して読み解きます。 各授業回における授業外学習の内容・所要時間
【事前準備】各授業回に対して180分を求める。演習科目のため,しっかりと取り組むこと。
・講読する文献の該当箇所を読み進める。また授業時に示した参考文献を読む。口頭発表する場合は,資料の作成や参考文献の調査などを行う。 ・産学連携プロジェクトについて,関連文献を収集しまとめる。グループ内の意見やアイディアを取りまとめる。口頭発表する場合は,資料の作成や参考文献の調査などを行う。 ・インターンシップ先の企業情報を収集・調査する。口頭発表する場合は,自身の経験を振り返り,整理する。 ・卒業研究のテーマを検討する。自身の関心のある文献を読み進め,資料批判をしたうえで,口頭にて発表の準備をする。 ・ゼミの進行を任された場合は,進行方法を事前に検討しておく(進行の流れ,指名方法,質問内容などの展開方法)。 【事後学修】各授業回に対して180分を求める。演習科目のため,しっかりと取り組むこと。 ・授業時の配布資料や講読する文献の該当箇所を読む。同時に,司書課程の各科目で購入した教科書(該当箇所)を読み進める。 ・公共図書館の歴史的背景について,他の文献に基づきながら,自分の考えを整理する。 ・プロジェクトの進行方法,マネジメントに関する文献を読む。産学連携による成果を振り返り,チームでプロジェクトを進める意義について自らの考えを整理する。 ・卒業研究のテーマについて,口頭発表やグループワークの内容を踏まえて,研究目的や研究方法を再検討する。 フィードバック
・演習形式の授業(ゼミ)のため,教員・学生を含め,ゼミ生全員で毎回意見交換や議論を行い,意見交換や議論の内容についてコメントする。
・次回以降のゼミにつなぐことができるように,口頭発表時には講評・コメントをするなど授業内にてフィードバックを行う。 ・産学連携プロジェクトでは,企業の方々からの意見もゼミ内で共有し評価し合うことによって,次の行程に活かしていく。 評価方法および評価の基準
授業でのディスカッション(20%),課題の提出・発表(30%),最終レポート(50%)とし,総合評価60点以上を合格とする。
目標1:ディスカッション(5/20) 課題提出・発表(5/30) 最終レポート(10/50) 目標2:ディスカッション(5/20) 課題提出・発表(5/30) 最終レポート(10/50) 目標3:ディスカッション(5/20) 課題提出・発表(10/30) 最終レポート(10/50) 目標4:ディスカッション(5/20) 課題提出・発表(10/30) 最終レポート(20/50) 教科書
推薦書・参考文献
★教科書は初回授業時に受講生の希望を踏まえながら検討しますが,以下の図書館に関する名著を予定しています。2022年,2023年刊行図書を対象にする場合もありますので,教科書は授業の初回に指示します。
・日本図書館協会編『中小都市における公共図書館の運営』日本図書館協会,1973,1,300円+税 ・日本図書館協会編『市民の図書館』増補版,日本図書館協会,1976,830円+税 ・菅谷明子『未来をつくる図書館:ニューヨークからの報告』岩波書店,2003,820円+税 ・前川恒雄,石井敦『新版図書館の発見』NHK出版,2006,920円+税 ★参考文献は随時授業時に提示しますが,まずは以下を紹介します。 ・奥泉和久『図書館史の書き方・学び方』日本図書館協会,2014 ・宮内泰介,上田昌文『実践 自分で調べる技術』岩波書店,2020,880円+税 ・小川徹ほか『公共図書館サービス・運動の歴史2』日本図書館協会,2006 ・東京社会教育史編集委員会『大都市・東京の社会教育』エイデル研究所,2016 ・上野千鶴子『情報生産者になる』筑摩書房,2018(ちくま新書,1352) 履修上の助言、教員からのメッセージ
★歓迎★ ようこそ石川ゼミへ!! 受講生のみなさまとともにゼミを進め,みなさまとともに学び合いましょう。
・「ゼミ」になりますので,学生のみなさんが主役です! どうぞよろしくお願いいたします! ・教科書は初回のゼミの時に指示します。みなさんと検討して,ゼミ費で購入することも可能です。 |