シラバス情報

科目名
物語分析
担当教員名
齋藤 秀昭
ナンバリング
EDg3047
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 芸術・文化コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
文芸文化学科の選択科目として、小説を〈読む〉とは一体如何なることかを探究することによって、近代の文芸に関する基礎知識や、近代小説の精緻な分析・読解の方法論を実践的に学修する。
②科目の概要
日本近代文学が成熟期を迎えた大正期の名短篇の数々を講読していくなかで、日本近代小説の物語の構造や特色、その現代的価値等を明らかにしていきたい。また、受講生同士の対話、つまり双方向的な授業環境を重視して、自己表現としての〈読み〉の可能性も探っていく。
③授業の方法(ALを含む)
作家や作品の基本に関する講義をおこなうと共に、作品を熟読して来た受講生同士のディスカッションを取り入れた授業を展開する。
リアクションペーパー/レポート/ディスカッション
④到達目標
到達目標1 近代小説を物語の構造を意識しながら自ら解釈し、それを表現することで、〈読む〉喜びや発見する喜びを身につけることができる。
到達目標2 日本の近代小説になぜ優れた短篇が多いのか、またその特質とは何かについて、実践的に学び理解することができる。
到達目標3 文学表現との邂逅を通して、近代社会に生きる私たち人間の内面に関する理解を深めると同時に、近代社会の構造的な問題にも目を向けられるようになる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
ED①-2 文学・芸術・文化に関する知識/ED③-2 課題発見・考察

第1回
事前学習
日本近代文学史における大正期の位置や大正文学の特徴について文学史年表や文学事典を用いて調べておく。
180分
授業内容
ガイダンス、日本近代文学における大正期の小説について【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】田村俊子「女作者」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第2回
授業内容
田村俊子「女作者」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】上司小剣「鱧の皮」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第3回
授業内容
上司小剣「鱧の皮」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】里見弴「銀二郎の片腕」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第4回
授業内容
里見弴「銀二郎の片腕」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】広津和郎「師崎行」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第5回
授業内容
広津和郎「師崎行」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】有島武郎「小さき者へ」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第6回
授業内容
有島武郎「小さき者へ」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】久米正雄「虎」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第7回
授業内容
久米正雄「虎」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】芥川龍之介「奉教人の死」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第8回
授業内容
芥川龍之介「奉教人の死」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】宇野浩二「屋根裏の法学士」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第9回
授業内容
宇野浩二「屋根裏の法学士」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】岩野泡鳴「猫八」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第10回
授業内容
岩野泡鳴「猫八」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】菊池寛「入れ札」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第11回
授業内容
菊池寛「入れ札」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】川端康成「葬式の名人」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第12回
授業内容
川端康成「葬式の名人」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】葛西善蔵「椎の若葉」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第13回
授業内容
葛西善蔵「椎の若葉」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】葉山嘉樹「淫売婦」を熟読してリアクションペーパーを完成させておく。
180分
第14回
授業内容
葉山嘉樹「淫売婦」の読解と分析【リアクションペーパー】【ディスカッション】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】授業で学んだことをノートにまとめておく。
【次回事前学習】最終レポートを完成させておく。
180分
第15回
授業内容
受講者全員によるまとめとレポート提出【レポート(表現)】【ディスカッション】
事後学習
日本近代文学における大正期の特色や優れた短編小説の条件について、受講生同士のディスカッションや講義内容から学んだことをノートにまとめておく。
180分

フィードバック
提出された課題は全て熟読して採点・評価する。
優れた提出物や発表に関しては授業内で具体的に紹介し、全員で共有をするという形でフィードバックとする。
評価方法および評価の基準
授業への参加度を含む毎回のリアクションペーパー(60%)とレポート(40%)で評価し、総合評価60点以上を合格とする。
到達目標1 リアクションペーパー(20%/60%)、レポート(10%/40%)
到達目標2 リアクションペーパー(20%/60%)、レポート(20%/40%)
到達目標3 リアクションペーパー(20%/60%)、レポート(10%/40%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
日本近代短篇小説選 大正篇
紅野敏郎ほか編
岩波文庫
978-4003119136
推薦書・参考文献
安藤宏『日本近代小説史 新装版』(2020年8月、中公選書、1700円+税)

履修上の助言、教員からのメッセージ
★授業で扱う作品は、その作品を扱う授業日までに必ず熟読し、リアクションペーパーも完成させておくようにして下さい(これを怠ると授業を受ける意味がほとんどなくなります)。
★リアルで授業に参加する際は、4人一組で話し合いが出来るような位置で座るように心掛けて下さい(指定席にする可能性もありますので、その際は教員の指示に従って下さい)。

以下はオンライン授業も並行して行う場合が生じた際の注意事項です。
★Zoomのアプリをパソコンにインストールし、こまめに「設定」の画面からアップデートをしておくこと。
★Zoomに参加する際は、大学から与えられている十文字のアカウント(メールアドレス)を使用し、個人のメールアドレスは使わないこと。
★オンライン授業も双方向での話し合いを重視しますから、Zoomから参加する際、ビデオ(カメラのことです)は必ずオンにして下さい(コミュニケーションは相手の表情その他全体を通して実現されるものですので、これは必須とします)。
★通信環境や機材に不安がある人は、しっかり大学の教務と相談して善処するようにして下さい(今後の大学生活や就活にも大いに役立ちます)。