教員名 : 栗山 究
|
科目名
博物館教育論
担当教員名
栗山 究
ナンバリング
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 多文化・共生コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
公立博物館で教育事業の担当経験をもつ教員が、第1回から第4回の授業内で教育活動の実際と今後の展望について解説する機会があります。
ねらい
①科目の性格
文部科学省令で定められた学芸員資格課程の必修科目で、経営論・資料論・資料保存論・展示論・情報メディア論とともに博物館学系科目を構成する各論の一つです。博物館における教育活動の基盤となる理論や実践に関する知識と方法を習得し、博物館の教育的役割を考察します。
②科目の概要
博物館における事業や活動の理論的・実践的意味を具体的な事例に即して学び、博物館における学びとその学びを支える人たちの役割を考察します。博物館における事業や活動を、学習・研究や運動等を総体した教育実践として捉える視座を獲得するための基礎的な理解を深めていきます。
③授業の方法(ALを含む)
講義内容と関連して毎回、教員との意見や感想のやりとりのほか、適宜、受講者相互の学びあいが促されるようなグループでの協同課題を実施し、展開していきます。
リアクションペーパー/グループワーク/プレゼンテーション
④到達目標
博物館を通して私たちはどのような学びや学びあいをつくりだせるか、博物館における学びを支える人たちの役割とは何かを意識して学修してください。
以上の学修の結果として、(1)地域博物館における教育実践を探究していく基礎的な分析枠組みを理解し、説明できるようになります。(2)博物館における学びを支える人たちの実践を分析できるようになります。(3)自分の考えや意見を簡潔に表現し、他者へ円滑に伝えていく方法を、検討できるようになります。 ⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
本科目は資格科目に該当します。
第1回
事前学習
・前年度までに履修した博物館に関する科目の授業内容を復習してきてください。
180分
授業内容
オリエンテーション:学芸員資格課程カリキュラムの歴史と前年度までの学修内容から博物館教育論の位置づけを考える
事後学習・次回事前学習
・第1回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・博物館等で行われている事業や活動にはどのようなものがあるか調べ【グループワーク①】の課題に取り組んでください。 ・第15回授業で提出する【学期末レポート】作成に向けて各自の準備を計画的に進めてください。 180分
第2回
授業内容
博物館における教育の構造(1):これまでの教育経験をふりかえる 【グループワーク①】
事後学習・次回事前学習
・第2回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・【グループワーク②】に向けて配布教材をグループ内で分担し、レジュメにまとめてきてください。 180分
第3回
授業内容
博物館における教育の構造(2):子ども博物館の事例から教育と学習の関係を整理する 【グループワーク②】
事後学習・次回事前学習
・第3回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・【グループワーク②】のまとめを提出してください。 180分
第4回
授業内容
博物館における教育の構造(3):「学び」という観点から教育を捉えかえす
事後学習・次回事前学習
・第4回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、博物館の範疇、職員として大切にしたい事項を考えてきてください。 ・【グループワーク③】に向けて配布教材をグループ内で分担し、レジュメにまとめてきてください。 180分
第5回
授業内容
社会教育施設である博物館(1):法制度から見た施設・学習支援者の原則とその役割を学ぶ
事後学習・次回事前学習
・第5回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・【グループワーク③】に向けて配布教材をグループ内で分担し、レジュメにまとめてきてください(補足資料を含む)。 180分
第6回
授業内容
社会教育施設である博物館(2):博物館と学校教育・社会教育の関連を考える 【グループワーク③】
事後学習・次回事前学習
・第6回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・【グループワーク③】の全体報告会に向けての準備と、第15回終了後に実施する予定の「これまでの学習の理解度の確認」に向けた準備を進めてください。 180分
第7回
授業内容
社会教育施設である博物館(3):課題の報告会を通してこれまでの学習を整理する【プレゼンテーション】
事後学習・次回事前学習
・第7回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、博物館教育論の特徴を考えてきてください。 180分
第8回
授業内容
欧米と日本で展開してきた近代博物館教育の議論(1):外部システム論の基本的特徴、意味と課題を学ぶ
事後学習・次回事前学習
・第8回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、あらためて博物館がもつ役割を考えてきてください。 180分
第9回
授業内容
欧米と日本で展開してきた近代博物館教育の議論(2):内部システム論の基本的特徴、意味と課題を学ぶ
事後学習・次回事前学習
・第9回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、【グループワーク③】で学習した内容、博物館を活用した学校の授業や行事などの経験をふりかえってきてください。 180分
第10回
授業内容
学校教育における博物館の活用(1):博物館と学校教育、学習指導要領との関連を歴史的に概観する
事後学習・次回事前学習
・第10回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、第15回終了後に実施する予定の「これまでの学習の理解度の確認」に向けた準備を進めてください。 180分
第11回
授業内容
学校教育における博物館の活用(2):博物館を活用した学校の授業実践とその課題を把握する
事後学習・次回事前学習
・第11回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、事例とする博物館の事業や活動の特徴を考えてきてください。 180分
第12回
授業内容
地域社会に根ざした博物館の教育実践:代表的な公立博物館を事例に検討する
事後学習・次回事前学習
・第12回授業のポイントを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・【グループワーク④】の全体報告会に向けて準備を進めてきてください。 180分
第13回
授業内容
地域における学芸員の実践分析:学芸員の実践過程を分析する 【グループワーク④】
事後学習・次回事前学習
・【グループワーク④】で学んだことを各自のノートに整理し、理解できなかったところは次回の授業で質問できるようにしておいてください。
・配布教材を読み、第15回終了後に実施する予定の「これまでの学習の理解度の確認」に向けた準備を進めてください。 180分
第14回
授業内容
地域博物館実践の展開と課題:住民の学びから開設した博物館を事例に分析枠組みを検討する
事後学習・次回事前学習
・第14回授業のポイントを各自のノートに整理し、これまでの学習を通して理解できなかったところは次回の授業までに質問できるようにしておいてください。
・【学期末レポート】を提出し、次回の【グループワーク⑤】に向けて発表できる準備を進めてきてください。 180分
第15回
授業内容
学びを支える人たちの役割の検討:学期末レポートのグループ別・全体報告会 【グループワーク⑤】
事後学習
・第15回分の授業のポイントを各自のノートに整理し、これまでの学習内容をふりかえり、「これまでの学習の理解度の確認」に向けた準備を進めてください。
180分
フィードバック
・リアクションペーパーは原則、翌週以後の授業内で返却し、そこでの内容の一部は授業内でも活用していきます。
・授業計画は、受講者相互の問題意識・興味関心・寄せられている質問内容の程度に応じ、それに応じた展開を試みますので、ある程度変更していく可能性があります。 ・希望に応じて夏季休暇中に、受講者有志による博物館見学会を実施する予定です。 評価方法および評価の基準
・①学習の理解度の確認:40%、②学期末レポート:30%、③コメントペーパーの提出:30%(グループワークでの貢献や課題への取り組み含む)とし、総合評価60点以上を合格とします。
・但し、2/3以上の出席回数を満たしていること、上記①②に取り組むことが、単位修得の前提です。 ・上記①②の評価は、「到達目標」の(1)(2)を複合した観点から確認し、それぞれの配分は以下のとおりです。①:到達目標(1)20%、到達目標(2)20%、②:到達目標(1)12%、到達目標(2)18%。 ・上記③の評価は、「到達目標」の(3)の観点から確認します。 教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
特に指定しません。各回テーマに応じて、担当教員が作成して配布します。
推薦書・参考文献
(1)下記のほか、初回および各回の授業内で文献一覧を提示します。
・君塚仁彦・名児耶明編(2012)『現代に活きる博物館』明石書店 ・小笠原喜康・並木美砂子・矢島國雄編(2012)『博物館教育論 新しい博物館教育を描きだす』ぎょうせい ・浜田弘明編(2014)『シリーズ現代博物館学① 博物館の理論と教育』朝倉書店 ・寺島洋子・大髙幸(2022)『〔改訂新版〕博物館教育論』放送大学教育振興会 (2)ジョン・デューイの著作(「学習と社会」など)を1冊読んでおくと、授業内容の理解がより深まります。 履修上の助言、教員からのメッセージ
さまざまな博物館や関連施設を訪問する、実践の現場に参画する、推薦書を読んでみるなどして、自らの学びを積極的に深めていってください。
自分なりに学んだ内容をふりかえり、その内容を探究していこうとする姿勢や行動は、積極的に評価し、応援していきます。 |