教員名 : 田中 正樹
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科目名
漢詩・漢文に親しむ
担当教員名
田中 正樹
ナンバリング
EDg2031
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 多文化・共生コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位
実務経験の有無
無
実務経験および科目との関連性
無
ねらい
①科目の性格
日本文学にも多大な影響を与えてきた中国古典の歴史的展開の概要を理解する。また、中国古典テクストとしての漢詩・漢文について、訓点(返り点・送り仮名)を付けて日本語に翻訳するという日本独特の伝統的読解システムを通じて学ぶ。
本科目は、教育人文学部 文芸文化学科の専門科目「日本語・日本文学科目」の領域に該当する卒業要件選択科目である。 ②科目の概要
中国古典語としての漢文(漢詩)の読解に必要な基本的文法構造に留意しつつ、訓読法を学ぶ。短い物語(漢文)および漢詩をテクストとして使用し、中国の文学の多様性に触れるとともに中国の学術の歴史の概略を理解した上で、日本文学への影響についても理解する。
③授業の方法(ALを含む)
講義を中心に、具体的な漢詩・漢文テクスト(所謂「漢文」=古典中国語)を読解する作業を行う。
ミニテストorレポート ミニテスト
④到達目標
①「漢文」(古典中国語)に返り点、送り仮名を付す意味を理解し(文法的理解)、正確な訓読・翻訳ができるようになる。
②漢詩(特に近体詩)の構造が分かるようになる。 ③中国文学の流れを理解し、漢詩・漢文が日本の物語や詩歌に与えた影響について把握できる。 ⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
ED①-2 文学・芸術・文化に関する知識/ED②-2 他者・多文化理解、共感的分析/ED③-1 情報収集・分析
第1回
事前学習
高等学校までで学習した中国文学、中国文化に関する知識について、どのくらい理解しているか(中国の歴史、詩人・文章家の名前、作品名、内容等)をノート等に書き出して確認してみる。
参考文献について、各自でどのような資料を参考にすればよいか、調べてリストを作成してみる。 90分
授業内容
漢詩・漢文とは何か:「中国文学の歴史の概略と日本文学」序説
事後学習・次回事前学習
[事後学習]中国歴史の流れが理解できたかどうか確認する(王朝の順序と各時代の文化的特徴について整理してみる)。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]高等学校で学習した「漢文」訓読について、語法等を復讐しておく。 課題があればそれに取り組む。次回扱うテクストに目を通し、わからない事項について調べておく。 90分
第2回
授業内容
訓読という翻訳システム:返り点・送り仮名とは?
事後学習・次回事前学習
[事後学習]「漢文」とは何か、「漢文訓読」とはどのようなシステムか理解できたかどうか、授業内容を復習する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]次回扱うテクストに目を通し、返り点・送り仮名の付け方、及び意味について理解できているか、確認する。 わからない事項については漢和辞典等で調べておく。 180分
第3回
授業内容
短い物語を読んでみよう:漢文の構造①「主語(主題)+動詞+目的語」
事後学習・次回事前学習
[事後学習]古典文言中国語として「漢文」の基本的な語順「主語(主題)+動詞+目的語」が理解できているか、テクストの例文で確認する。また、訓点(返り点・送り仮名)の付け方が理解できているか、確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]「漢文訓読」特有の「再読文字」について、どのような種類があるか確認し、何故「二度読む(再読する)」必要があるのかについて考えておく。 180分
第4回
授業内容
短い物語を読んでみよう:漢文の構造②「再読文字」の役割
事後学習・次回事前学習
[事後学習]「再読文字」の種類とそれぞれの「訓読の仕方」、「意味」が理解できているか、テクストの例文で確認する。また、訓点(返り点・送り仮名)の付け方が理解できているか、確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]「漢文」に使われている文字には、「虚字/実字」、「助辞(助字)」等の区別があるとされる。それぞれどのようなものか、各自辞典等でしらべておく。 180分
第5回
授業内容
短い物語を読んでみよう:漢文の構造③「助字」の役割
事後学習・次回事前学習
[事後学習]「助字」の種類とそれぞれの役割、意味が理解できているか、テクストの例文で確認する。また、訓点(返り点・送り仮名)の付け方が理解できているか、確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]「原文(古典中国語)」と「漢文訓読」との関係について、よくわからない点についてまとめておく。 180分
第6回
授業内容
少し長い漢文を読んでみよう:「訓読」を手がかりに原文(白文)に訓点をつけるには?
事後学習・次回事前学習
[事後学習]「訓読」を手掛かりに「原文」に返り点・送り仮名を自分でつけることによって、漢文(古典文言中国語)の構造が理解しやすくなることを、テクストの例文で確認する。また、訓点(返り点・送り仮名)の付け方が理解できているか、確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]返り点の種類とどのような使い分けがあるのかについて、参考書や漢和辞典などで調べ、疑問点を書き出しておく。 180分
第7回
授業内容
少し長い漢文を読んでみよう:返り点をつけるときの留意点
事後学習・次回事前学習
[事後学習]返り点の種類と原文に付けるときに注意すべき点は何であったかをまとめてみる。また、再読文字、二字(以上の)熟語動詞の訓点(返り点・送り仮名)の付け方が理解できているか、確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]漢文訓読は、歴史的仮名遣いを用いるので、日本の古典文法を復習しておく。 180分
第8回
授業内容
少し長い漢文を読んでみよう:送り仮名をつけるときの留意点
事後学習・次回事前学習
[事後学習]送り仮名は、原文(古典文言中国語)の語順を変えて翻訳する際に必要な「助詞」「助動詞」等に相当するので、日本の古典文法に基づく活用の知識が必要である。活用の際に注意すべき点は何であったかをまとめてみる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]高等学校で学習した「漢文」で扱われていた漢詩について、覚えていることを書き出してみる。漢詩の種類や規則について既に知っていることを確認する。 180分
第9回
授業内容
漢詩を読んでみよう:「漢詩」の歴史—「漢詩」の多様性(唐詩・宋詩)
事後学習・次回事前学習
[事後学習]漢詩(中国古典詩)の歴史について、その概略が理解できたかどうか、まとめる。特に唐詩の代表的詩人と詩を読解する際の留意点について確認する。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]漢詩(中国古典詩)の種類とそれぞれの構成規則について、調べておく。 180分
第10回
授業内容
漢詩を読んでみよう:「漢詩」の構造(今体詩の規則)
事後学習・次回事前学習
[事後学習]漢詩(中国古典詩)の絶句・律詩・排律等の種類の識別、それぞれの規則について理解したかどうか、具体的な作品に基づき整理してみる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]漢詩の内容として何が詠われているのか、調べておく。 180分
第11回
授業内容
漢詩を読んでみよう:「漢詩」における「視覚」と「聴覚」
事後学習・次回事前学習
[事後学習]漢詩(中国古典詩)に表現されている内容や言葉(詩語)について理解したかどうか、具体的な作品に基づき整理してみる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習] 日本文化と漢詩の関係や、主要な漢詩人、作られた漢詩について調べる。 180分
第12回
授業内容
漢詩と日本文学①:漢詩と和歌(『句題和歌』、『新撰万葉集』)
事後学習・次回事前学習
[事後学習]漢詩(中国古典詩)が日本文学にどのように受容されたのかについて、授業内容を整理する。日本で作られた漢詩について、具体的な作品に即してその特徴についてまとめる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習] 漢詩と短歌・俳句との関係を調べる。 180分
第13回
授業内容
漢詩と日本文学②:漢詩と俳句
事後学習・次回事前学習
[事後学習]漢詩(中国古典詩)は最短の文学形式「俳句」にも影響を与えたことについて、授業内容をふまえ具体的な俳人とその俳句に即し、自分で確認してみる。漢詩と俳句の表現技法の異同についてまとめる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]日本で作られた漢詩集や各時代の日本漢詩について、文学史等の参考文献を用いて調べてみる。 180分
第14回
授業内容
漢詩と日本文学③:日本の漢詩
事後学習・次回事前学習
[事後学習]日本に於いて各時代でどのような漢詩文化が展開したのか、授業で紹介された具体的な詩人や作品を読み直してその特徴を自分で確認してみる。
授業で扱った内容について疑問や理解不足等の事項があれば、辞書・事典・参考文献等で調べ、その情報をあとで参照できるよう保存しておく。 [次回事前学習]この授業で扱った漢詩・漢文に関し、訓読法や歴史的展開の概略が理解できているかどうか確認し、重要事項を整理する。 180分
第15回
授業内容
まとめ:この授業で学んだことの確認
事後学習
[事後学習]中国古典とその日本での展開に関する基礎知識が身に付いたかどうか、授業で扱った各項目に即して再度確認し、適宜参考文献等を利用して発展的な学修について各自で工夫する。
90分
フィードバック
授業で提出されたミニテスト(課題)については、その内容や結果について、フィードバックする。
評価方法および評価の基準
ミニテスト(40%)、筆記試験(60%)で評価
到達目標①:ミニテスト(10%/20%)、筆記試験(10%/60%) 到達目標②:ミニテスト(10%/20%)、筆記試験(10%/60%) 到達目標③:筆記試験(40%/60%) 教科書
推薦書・参考文献
漢和辞典:『漢辞海【第四版】』(三省堂)等の漢和辞典を用意すること。
参考図書:西田太一郎『漢文の語法』(角川ソフィア文庫)角川書店、2023 履修上の助言、教員からのメッセージ
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