シラバス情報

科目名
道徳教育B
担当教員名
浅見 哲也
ナンバリング
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
本科目の指導においては、教員及び指導主事、教科調査官(文部科学省)の経験をもつ教員が担当し、全教育活動を通じて行う道徳教育の推進や特別の教科 道徳(道徳科)の授業を行うための知識・技能の習得を図る。

ねらい
①科目の性格
本科目は、教育職員免許法施行規則に定める、中学校教諭一種免許状・高等学校一種免許状所得に必要な「道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目」の必修科目である。
②科目の概要
「特別の教科 道徳」について、特別の教科化に至った経緯やその内容、全教育活動を通じて行う道徳教育とその要となる「特別の教科 道徳」(道徳科)の本質について理解を深める。学生相互の意見交換を重視し、道徳科の内容項目や道徳的価値、児童の実態把握、教材の活用を踏まえて授業を構想し、模擬授業を行う中で、道徳科の指導の仕方を学ぶ。
③授業の方法(ALを含む)
第6回までは講義を中心とする。第7回〜11回、14回は個人及びグループでの学習指導案の作成と模擬授業(グループ)、道徳教育カリキュラム作成を行う。【リアクションペーパー】【グループワーク】【プレゼンテーション】【模擬授業】【レポート】
リアクションペーパー/レポート/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/ロールプレイ・模擬授業/ICT
④到達目標
到達目標1 道徳教育の意義や課題、道徳教育の本質や理念について理解し、説明することができる。
到達目標2 学校における道徳教育とその要となる道徳科の果たす役割について正しく理解し、説明することができる。
到達目標3 道徳科の授業構想の仕方を理解し、グループ内で相互に検討し合いながら、学習指導案の作成と模擬授業を行うことができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)

第1回
事前学習
シラバスを読み、本講義全体の計画を理解すると共に、自身が小中学校で受けた道徳授業について想起し、整理しておく。
UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の事前配布資料に目を通す。
90分
授業内容
オリエンテーション/道徳教育の歴史と特別の教科化/道徳とは
・特設された道徳の時間や特別の教科化された道徳の背景について考える。
・道徳とはどのような学習なのか、その本質を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第2章と第3章第1節までを読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の事前配布資料に目を通す。
180分
第2回
授業内容
道徳教育及び特別の教科 道徳(道徳科)の目標と内容
・道徳教育及び道徳科の目標と内容を確認する。
・道徳科のキーワードとなる「道徳性」「道徳的価値」「内容項目」「ねらい」「主題」「教材」等の意味を理解する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第4章第1節から第2節までを読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の事前配布資料に目を通す。
180分
第3回
授業内容
道徳科の学習指導と指導方法の工夫①
・教材「ブラッドレーのせい求書」「黄色いベンチ」を活用した道徳科の授業を考える。
・導入、展開、終末の一般的な学習指導過程や自分との関わりで考える道徳科の指導の工夫を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第4章第3節を読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の事前配布資料に目を通す。
180分
第4回
授業内容
道徳科の学習指導と指導方法の工夫②
・教材「手品師」を活用した道徳科の授業を考える。
・導入、展開、終末の一般的な学習指導過程や多面的・多角的に考える道徳科の指導の工夫を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第4章第1節から第2節までを再度読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の配付資料に目を通す。
180分
第5回
授業内容
道徳科の授業構想
・教材「二通の手紙」を活用して、道徳科の授業を構想する。
・ねらいとする道徳的価値、児童の実態把握、教材の効果的な活用を通して主題の設定の仕方を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
教材「二通の手紙」を読み、適切な場面での発問を考える。
180分
第6回
授業内容
道徳科の学習指導案作成の手順
・教材「二通の手紙」を活用して、道徳科の学習指導案を作成する。
・導入、展開、終末における「読み聞かせ」「発問」「話し合い」「書く活動」等の指導方法の工夫について考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の道徳教材に目を通し、『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第3章第2節に示されている内容項目一覧表から、その教材の主題となる内容項目を確認する。
180分
第7回
授業内容
道徳科の学習指導案作成①
・「言葉の向こうに」「一冊のノート」「二人の弟子」「うばわれた自由」の中から教材を選び、同一教材選択者によるグルーピングを行う。
・選択した教材の活用を基に、ねらいとする道徳的価値、生徒の実態把握、教材の効果的な活用を通して、授業の主題を設定する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
選択した教材の授業構想の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体やグループでの共通課題になる事項は、次回の授業時に周知・共有する。
<次回事前学習>
選択した教材を読み、適切な場面での発問を考える。また、導入や終末での効果的な学習内容を考えておく。
180分
第8回
授業内容
道徳科の学習指導案作成②
・「言葉の向こうに」「一冊のノート」「二人の弟子」「うばわれた自由」の中から選んだ教材を吟味し、授業を構想する。
・選択した教材の活用を基に、展開の段階での発問を考えるとともに、導入や終末の段階での学習内容を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
選択した教材の授業構想の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体やグループでの共通課題になる事項は、次回の授業時に周知・共有する。
<次回事前学習>
選択した教材を活用した学習の効果的な指導方法の工夫を考えておく。
180分
第9回
授業内容
道徳科の学習指導案作成③
・「言葉の向こうに」「一冊のノート」「二人の弟子」「うばわれた自由」の中から選んだ教材を吟味し、授業を構想する。
・選択した教材を活用した学習指導案を完成させる。
・次回の授業の学習指導案の発表と模擬授業について役割分担を決める。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
選択した教材の授業構想の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体やグループでの共通課題になる事項は、次回の授業時に周知・共有する。
<次回事前学習>
選択した教材を活用した授業の学習指導案の発表と模擬授業についてグループで話し合い、発表の準備をしておく。
180分
第10回
授業内容
道徳科の学習指導案発表と模擬授業①
・「言葉の向こうに」「一冊のノート」「二人の弟子」「うばわれた自由」の中から選んで作成した学習指導案を発表し、模擬授業を行う。
・教師役と児童役と傍観者に分かれて授業を行い、授業を考察する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
選択した教材を活用した授業の学習指導案や模擬授業を振り返り、課題を整理する。また、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体やグループでの共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
選択した教材を活用した授業の学習指導案の発表と模擬授業についてグループで話し合い、発表の準備をしておく。
180分
第11回
授業内容
道徳科の学習指導案発表と模擬授業②
・「言葉の向こうに」「一冊のノート」「二人の弟子」「うばわれた自由」の中から選んで作成した学習指導案を発表し、模擬授業を行う。
・教師役と児童役と傍観者に分かれて授業を行い、授業を考察する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
選択した教材を活用した授業の学習指導案や模擬授業を振り返り、課題を整理する。また、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体やグループでの共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編』の第5章を読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の配付資料に目を通す。
180分
第12回
授業内容
道徳教育及び道徳科の評価
・道徳教育及び道徳科の評価について考える。
・指導要録やいわゆる通知表のサンプルで評価文を作成する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
『中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 総則編』の第3章第6節を読み、要点を掴む。UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の配付資料に目を通す。
180分
第13回
授業内容
全教育活動を通じて行う道徳教育の展開
・各教科等の指導やその他の教育活動に含まれる道徳の内容を考える。
・社会的な問題や現代的な課題をテーマとした道徳教育の展開を考える。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の配付資料に目を通す。
180分
第14回
授業内容
道徳教育のカリキュラム・マネジメント
・学校の教育目標から目指す生徒像を設定し、道徳科を要とした道徳教育のカリキュラムを作成する。
事後学習・次回事前学習
<事後学習>
授業で取り上げた内容の要点整理を行い、理解が不十分な内容や新たな疑問点については質問事項として整理しておく。全体での共通課題になる事項は、次回の授業時に全体で周知・共有する。
<次回事前学習>
UNIVERSAL PASSPORTを通じて配布予定の配付資料に目を通す。また、道徳教育や道徳科について学んだことをまとめ、次回のまとめのレポートに備える。
180分
第15回
授業内容
道徳科の自作教材の作成/まとめ
・ある内容項目に含まれる道徳的価値をねらいとする道徳科の自作教材を考える。
・15回の授業内容を振り返り、まとめのレポートを作成する。
事後学習
全教育活動を通じて行う道徳教育とその要となる道徳科の指導と評価について振り返り、道徳教育の必要性とその意義を確認する。
90分

フィードバック
学習指導案及び模擬授業については指導、助言を行う。また、リアクション・ペーパー等については、次回以降の授業時に触れ、解説・コメントするほか、質問に答える。
評価方法および評価の基準
レポート・課題提出(40%)・指導案の作成と模擬授業(30%)・リアクションペーパー(30%)で評価し、60点以上を合格とする。
到達目標1 レポート・課題提出(20%/40%)
到達目標2 指導案の作成と模擬授業(20%/30%)
到達目標3 リアクションペーパー(20%/30%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編
文部科学省
教育出版株式会社
本体156円+税
中学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 総則編
文部科学省
株式会社東山書房
本体251円+税
推薦書・参考文献
【推薦書】『道徳科授業構想グランドデザイン』 浅見哲也 著 明治図書
【参考書】『こだわりの道徳授業レシピ-あなたはどんな授業がお好みですか?-』 浅見哲也 著 東洋館出版社

履修上の助言、教員からのメッセージ
学校の教師になれば誰もが道徳の授業を行うことになりますが、他の教科等と比べると、どのように指導すればよいかがイメージしにくいのが道徳の授業なのかもしれません。また、「私、道徳的じゃないから道徳は教えられない」という人を見かけますが、そんな人ほど児童とともに真剣に考える授業ができると思います。答えが一つではない道徳的な課題を自分自身の問題と捉え、向き合う「考える道徳」、「議論する道徳」を指導できる技術を身に付けてほしいと思っています。生徒が楽しく、真剣に考える授業を一緒に考えていきましょう。