シラバス情報

科目名
総合科目(「食う・着る・見る」のゼミナール2023)
担当教員名
名倉 秀子、船曳 建夫
ナンバリング
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 1年
学年
1年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
本科⽬は、共通科⽬「総合」領域に配置された選択科⽬である。大学における「知」を「生きる技法」ととらえ、食べて味わう、自分を装う、見て楽しむ、といった日常生活の中身を考えなおし、実践してみる。繰り返しの受講は可である。
②科目の概要
世界は豊かになっているが、その分、複雑になっている。その世界の複雑さに負けず、どうやってそこに手を伸ばせばよいのか。とりわけ、世紀に一度の大事件、コロナの影響により、さらに変化している。この科目では、食う・着る・見る、という日常的な行動を、よりよく生きる方法としてとらえ直し、実際にもやってみる。この授業は人に話をするのが好きな人、人の話を聞くのが得意な人に向いている。
③授業の方法(ALを含む)
1)毎回の授業は「話す」ことが基本です。話し合いによって、これから、何を実際に「食う・着る・見る」かの相談を行う。話しが拡散しすぎないように、共通する話題として、本、雑誌、ネット、映画、テレビなど、全員が手に入るものを使います。コロナがまだら模様なので、プランを立てることが難しいのですが、2023年にあった方法で実践も含めたいと思います。
2)毎回の授業で話し合われたことを発展させて、「KUU・KIRU・MIRU」を可能な限り実践したい。2021年はリモート授業だけでしたが、たとえば、ある回は「大福」を持ち寄って、食べました。驚いたことに、17人の参加者によって、17種類の大福が集められ、それがすべて、違うものでした。「食」の片端から、世界は広がる。「見る」としては、2022年は、歌舞伎座遠征までしました。しかし、遠くに行けばよいというものではないので、「灯台下」も考えましょう。
ディスカッション/プレゼンテーション
④到達目標
到達目標
1.「食う」ことが、からだに食物、栄養を取り込むという生物的な行為以上の、広く大きな文化的、社会的な意味を持つことを理解し、「味わう」について気付き、考え直してみる。
2.「着る」が、からだを外界から保護するという生物的な行為以上の、広く大きな文化的、社会的な意味を持つことを理解し、「装い」について気付き、考え直してみる。
3.「見る」ことを人間関係の重要なことがらとしてとらえる。とりわけ、祝いとしての舞台上の踊りや歌、パフォーマンスを「見る」ことを考える。「見る」ことが、外界を察知するという生物的な行為以上の、広く大きな文化的、社会的な意味を持つことを理解し、「祝い」について気付き、考え直してみる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NE③-3 就業観を養う力/NE⑤-3 課題発見能力/NE⑤-4 論理的思考力

第1回
事前学習
自己紹介を準備する。
自己紹介は難しい。つまらない自己紹介は本当につまらない。面白い自己紹介とは何だろう。準備は必要だ。とはいえ、何を準備するのだろう。ヒントを示せば、「ボケ」の自己紹介は面白いが難しい。「ツッコミ」の自己紹介はやさしいが面白くない。
難しく考えすぎず、まずは、5分くらい自分のことを話す準備をする。
90分
授業内容
オリエンテーションと自己紹介。
ゼミ参加者の半数が自己紹介をする。
自己紹介の後、「食う・着る・見る」に関連して、どんなところでどんなものを食べたいか、どんな装いを自分でしているかを、どんな舞台を見たいか、を語り合います。もちろん、食べたり、装ったり、祝ったり、するのが苦手だ、ということも話題となります。
事後学習・次回事前学習
まだ「自己紹介」をしていない人は準備をする。
180分
第2回
授業内容
オリエンテーションと自己紹介。
ゼミ参加者の残りの半数が自己紹介をする。
自己紹介の後、「食う・着る・見る」に関連して、前回の続きとして語り合います。
事後学習・次回事前学習
自分の自己紹介、他の人の自己紹介、うまく行ったか行かないか反省してみる。
15回の授業、まずは「祝う」から始めます。自分の好きな「観る」ものについて、音楽、演劇、テレビ、など、考えておく。
180分
第3回
授業内容
「祝う」について。
具体的には舞台上のものを「観る」こと、となります。
自分の好きな「観る」ものについて、みなでいままでどんなものを見てきたか、について語り合います。「観る」には「聴く」ことも入ります。事例:タカラヅカ、ジャニーズ、コンサート、歌舞伎、その他、テレビドラマ、映画。
事後学習・次回事前学習
他のゼミ生の語った、好きな「観る」ものについて考えてみる。
180分
第4回
授業内容
「祝う」、舞台を「観る」ことについてのミニ講義:
1. 「儀礼・祭り」と「演劇・舞台」、の似ているところ、違うところ。
2. 舞台と観客席に分かれた二つの世界について。
講義のあと、引き続いて討論。
事後学習・次回事前学習
他のゼミ生の好きな「観る」ものについて考えてみる。そして、何かをみなで「観劇」するとしたらどうなるか。ゼミの企画として、プラニングをしてみる。
180分
第5回
授業内容
みなで一緒に何を「観劇」するかの相談をする。どこで、何を、どのように。
幅広く、劇からコンサート、ネットからテレビまで。2023年の初夏に何が出来るかを考える。
実際にライブで観るのではなく、リモート配信されているものを観るとしたら、何を観るかの相談も。
事後学習・次回事前学習
みなで一緒に何を「観劇」するかの相談で決まったものを調べる。
次回は「味わう」について
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自分にとっての「重大問題」を考えておく。
180分
第6回
授業内容
「食う」についてのミニ講義:
1)「食べる」とは、「食べない」とは。
2)肉食は食糧危機を生むのか、菜食は世界を救うのか。
講義のあと、引き続いて討論。
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第7回のための重大問題の紙媒体による提出。
事後学習・次回事前学習
「食」についてのミニ講義の討論を思い返す。
1)「食べる」とは、「食べない」とは。
2)肉食は食糧危機を生むのか、菜食は世界を救うのか。
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自分にとっての「重大問題」を考えておく。
180分
第7回
授業内容
「重大問題」の紙媒体による提出。
そのあと、書かれた「重大問題」を中心に討論会を行う。
事後学習・次回事前学習
重大問題について、何が討論されたかを振り返る。
180分
第8回
授業内容
第7回と同じく、重大問題について討論。
事後学習・次回事前学習
重大問題として、どんなことが話されたか、を振り返る。
次回は、「喜ぶ」について、「装う」ことを考える。
180分
第9回
授業内容
「着る」ことについてのミニ講義:
1)服を着るからだについて。裸のからだを「隠す」のか?
2)服を着るこころについて。裸のこころを「表す」のか?
講義のあと引き続いて討論。
事後学習・次回事前学習
「装い」が時に喜びではなく苦手なのはなぜ?
次回のために、私の好きなファッション、について考えてください。
180分
第10回
授業内容
私の今日の装いについて話す。
また、インスタや雑誌で、「私の好きなファッション」について話す。
事後学習・次回事前学習
前回の装いについての語り合いを思い返す。
180分
第11回
授業内容
第10回と同じく、私の今日の装いについて話す。
また、インスタや雑誌で、「私の好きなファッション」について話す。
事後学習・次回事前学習
前回の装いについての語り合いを思い返す。
次回の装いを観ることをプランしよう。
180分
第12回
授業内容
装いを観ることをプランしよう。
リアルの舞台、ショー。
または、ネット上で見るとしたら。
事後学習・次回事前学習
祝う・味わう・喜ぶ、がすべて重なる場としての祭り。
次回のために、コロナとは私たちの社会にとっての「祭り」を奪うことについて、考えておく。
180分
第13回
授業内容
大討論会。
「コロナ」は私たちから、「命」とともに「何」を奪う(った?)のか?」
このことについて語り合う。
最後に次回からは「一言プレゼンテーション」を行うので、その準備の話し合い。
事後学習・次回事前学習
次回の大討論会の為の準備。
「コロナは私たちから、「命」とともに「何」を奪うのか?」
「一言プレゼンテーション」をする準備。
180分
第14回
授業内容
到達目標として以下のことを挙げました。
1.「食う」について気付き、考え直してみる。
2.「着る」の中の一つ、装いについて気付き、考え直してみる。
3.「見る」の中でも「観る」について気付き、考え直してみる。
こうした点について、このゼミで自分にとって問題と考えられてきたことをテーマに、「一言プレゼンテーション」をする。
まずはゼミの半数の出席者で。
事後学習・次回事前学習
これまでのまとめと振り返り。
180分
第15回
授業内容
到達目標として以下のことを挙げました。
1.「食う」について気付き、考え直してみる。
2.「着る」の中の一つ、装いについて気付き、考え直してみる。
3.「見る」の中でも「観る」について気付き、考え直してみる。
こうした点について、このゼミで自分にとって問題と考えられてきたことをテーマに、「一言プレゼンテーション」をする。
ゼミの残りの半数の出席者で。
事後学習
「一言プレゼンテーション」の振り返り。
90分

フィードバック
ディスカッションおよびプレゼンテーションの内容について、授業の中でコメントする。
評価方法および評価の基準
毎回のゼミでの学習行動を50%、「一言プレゼンテーション」を50%として、成績を総合評価し、60点以上を合格とする。
3つの到達目標に対し、「一言プレゼンテーション」を行う。
到達目標1.ディスカッション(20/50%)、一言プレゼンテーション(20/50%)
到達目標2.ディスカッション(15/50%)、一言プレゼンテーション(15/50%)
到達目標3.ディスカッション(15/50%)、一言プレゼンテーション(15/50%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
使用しない。毎回、授業前に授業の内容をプリントあるいは、ネット上のファイルの形でファイルする。
推薦書・参考文献

履修上の助言、教員からのメッセージ
船曳建夫は、こうしたゼミナールを長く続けてきている。ゼミ生が難しいことをやさしく、深く、楽しく話し合いができるように行う。
ゼミ生は安心して出席するように。