教員名 : 西野 直樹
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科目名
デジタルアート入門
担当教員名
西野 直樹
ナンバリング
EDf1022
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度後期
授業形態
演習
単位数
2.00単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
デザイン事務所や広告代理店で広告等のグラフィックデザインに関わり、独立後はコンピュータ(Mac)を導入しデザインやDTPを始めました。DTPによる雑誌等のエディトリアルデザインを手がけて出版社と関わっていくうちに写真集や文芸書、エッセイ・コミックスなど、装丁・ブックデザインの仕事も増えてきました。
ねらい
①科目の性格
未公開ワークショップ科目の専門選択科目、作品創作にあたります。
「発案〜創作〜表現」をとおして、個々の感性や発想力に磨きをかけていきます。 ②科目の概要
アドビCC(フォトショップ、イラストレーター等)を使って、書籍のブックカバー(他周辺のグラフィック)デザインを体験します。
プロの漫画家/イラストレーターをゲストにおむかえします。 ③授業の方法(ALを含む)
創作課題のブックデザインに関連した書店でのフィールドワークとそのレポートやプレゼンテーション。
デザインやアドビソフトの使い方〜制作についてのレクチャーには、リアクションペーパーや簡易アイテムを制作。 実際の創作〜制作では、アイデアをレポートとして提出、その後はアドビソフトを使用してのデザインワーク、 作品の仕上げ〜提出後はできたブックデザインを並べて皆でディスカッションします。 リアクションペーパー/ディスカッション/プレゼンテーション/レポート(表現)/フィールドワーク/創作、制作/ICT
④到達目標
到達目標1 「書籍」のデザインについて関心を持ち、親しみを持つことができる。
到達目標2 与えられた課題に対してアイデア(発想)を考えだし、イメージやアイデアを具現化するために、ソフトウェアを使用することができる。 到達目標3 各ソフトウェアの特徴を習熟し、時間(期間)内での計画的な制作を可能にする。 到達目標4 発想の方法、グラフィックデザインの基礎・基本を身につける。 ⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
ED②-4 芸術・文化に関する表現技法/ED③-3 価値観の創造、発信
第1回
事前学習
各自で書店に行き、店内の陳列、多種多様なブックデザイン、POPなどを観察して感想や提案を考えておく。(店内写真は撮らない事)書店で見つけて気になった装丁の本、自分の蔵書などで好きな装丁・デザインの本を選んでみる。本以外でも、改めて身の回りのグラフィックデザインに注目してみる。
180分
授業内容
デザインとはどういうものか、コンピュータによるデザインとはどういうものか。ここで学ぶアドビのソフトはどういうものか。
装丁・ブックデザインとはどういうものか、実際の作品(昨年度学生の作品など)を提示してのレクチャー。 出版社や書店など、本を取り巻く現在の環境の話。この授業での評価の仕方について。 (リアクションペーパー) 事後学習・次回事前学習
第1回の内容を頭に入れてもう一度書店に行き、次回の書店レポートのプレゼンテーションを準備しましょう。2回目は「装丁やデザインが気になった本・好きな本」を各自発表してもらいます。
180分
第2回
授業内容
第1回の講義内容とフィールドワークとしての書店訪問をもとにしたレポートのプレゼンテーション。
「装丁やデザインが、気になった本・好きな本」をその理由とともに各自発表してもらい、レポートを提出。 事後学習・次回事前学習
次回から実技に入ります。実際にアドビのソフト「イラストレーター」をさわっていきます。アドビのHPから「イラストレーター」でできることを調べておきましょう。
180分
第3回
授業内容
「アドビ・イラストレーター」を体験する。「ピクセル」と「ベクター」の違い。イラストレーターで作った作品を見たり、実際に操作を、特色である「ベジェ曲線」を体験します。授業で体験し、制作したファイルは提出します。
事後学習・次回事前学習
次回はフォントについての授業です。印刷物やパッケージ、ウェブ上など、身の回りの「フォント」に改めて注目してみてください。
180分
第4回
授業内容
「フォント」について。グラフィックデザイン、装丁・ブックデザインでのフォントの役割、その効果・働きを学ぶ。
イラストレーター上で、実際にフォントを扱ってみます。授業で体験し、制作したファイルは提出します。 事後学習・次回事前学習
フォントについて理解したことを、整理しておきましょう。次回はアドビ「フォトショップ」を体験していきます。
180分
第5回
授業内容
「アドビ・フォトショップ」を体験する。RGBとCMYKのちがい、ピクセル(画素)や解像度、画像の保存形式、レタッチなどを学ぶ。授業で体験し、制作したファイルは提出します。
事後学習・次回事前学習
「イラストレーター」と「フォトショップ」を使って簡単な「フライヤー」を作ってみます。身の回りや学校に掲示されている「フライヤー(チラシ)」はどういうものか、注目・観察しておいてください。
180分
第6回
授業内容
「イラストレーターでのフライヤー制作」を体験します。写真の配置やフォントとの組み合わせ、画面に要素をレイアウトしていく際の基本を学びます。授業で体験し、制作したファイルは提出します。
事後学習・次回事前学習
次回も「イラストレーター」「フォトショップ」でフォントや画像を扱ったり、操作の体験を続けていきます。今後、どんな作品を作りたいか考えておきましょう。
180分
第7回
授業内容
「イラストレーターでのフライヤー制作つづき」。前回に続いて具体的なソフトの操作を体験していきます。前回より応用を利かせた操作を加えオリジナルなデザインを作ります。授業で体験し、制作したファイルは提出します。
事後学習・次回事前学習
次回はゲスト講師を招いてクリップスタジオやアイビスペイントなどペイント系ソフトによる「デジタルお絵描き」についての講義です。普段からペイント系ソフトを使っている人は質問などがあれば考えておきましょう。
180分
第8回
授業内容
【ゲスト講義】漫画家・イラストレーターの青木俊直さんによるクリップスタジオなど、ペイント系ソフトによるイラスト製作についての講義。終了後はレポートを提出。
事後学習・次回事前学習
事後学習としてはゲスト講師のレポート制作〜提出。次回からはソフトの操作をおさらい・反復しつつ、本の装丁やブックデザインに進んでいきます。学校の図書館・本屋・各自の蔵書などで改めて装丁やブックデザインを観察してみてください。
180分
第9回
授業内容
「装丁〜ブックデザインの基本」。本の装丁の基本、各部の名称や紙について、判型や印刷についてのレクチャー。時間があればソフト操作のおさらい。終了後はレポート、制作したファイルの提出。
事後学習・次回事前学習
「単行本のブックカバーデザイン」についてイメージを膨らませておいてください。デザイン原稿台紙のしくみのレクチャーから、実際のデザインに入っていきます。
180分
第10回
授業内容
「単行本のブックカバーデザイン」。デザイン原稿台紙のしくみのレクチャーから、実際のデザインに入っていきます。ウェブや広告のグラフィックデザインとはちがい、本は「手に取ることのできる立体物である」ということも意識していきます。終了後、制作したファイルは提出(途中でも可)。
事後学習・次回事前学習
次回も制作作業をつづけていきます。各自の進行度合いによっては、デザインのバリエーションも考えてみてください。
180分
第11回
授業内容
「単行本のブックカバーデザイン」制作のつづき。「イラストレーター」「フォトショップ」で各自制作を進めていきつつ、ソフト操作のおさらいやさらなるデザインテクニックの紹介〜体験などもしていきます。終了後、制作したファイルは提出(途中でも可)。
事後学習・次回事前学習
ブックカバーに使う写真や絵素材、テクスチャ、模様、オビ文章など、各自オリジナルなものを準備・考案して、デザイン度をあげていけるようにしてください。
180分
第12回
授業内容
「単行本のブックカバーデザイン」応用テクニックの紹介と体験。画像レタッチやフォントの加工や色設定など、詳細な応用テクニックを紹介〜体験。終了後、制作したファイルは提出(途中でも可)。各自の制作時間も設けます。
事後学習・次回事前学習
残り2回で仕上げに入っていきます。アイデアやアレンジを膨らませられる人は複数の作品制作〜提出にチャレンジしてみてください。
180分
第13回
授業内容
「ブックカバーデザインの完成」1/2 各自の制作〜ブックカバーデザインファイルのカラー出力〜断裁、本にまいて写真の撮影。次と合わせた2回で仕上げに入ります。カラー出力したカバーを実際に本にまいて撮影。最終提出に備えます。並行して操作のおさらいなどもしていきます。この回はレポート・感想提出。
事後学習・次回事前学習
アイデアやアレンジを膨らませられる余裕のある人は追加の作品制作〜提出にチャレンジしてみてください。
180分
第14回
授業内容
「ブックカバーデザインの完成」2/2 各自の制作〜ブックカバーデザインファイルのカラー出力〜断裁、本にまいて写真の撮影。カラー出力したカバーを実際に本にまいて撮影、1.写真 2.出力視野デザイン制作ファイル 3.制作レポート(注目してほしいことや感想など)を提出します。
事後学習・次回事前学習
最終回は提出してもらったデザイン、写真を見ながら、作者によるプレゼンテーションをしてもらう予定です。それまでに上記の3点セットを提出しておきましょう。
180分
第15回
授業内容
「ブックカバーデザインの発表」自分のデザイン作品の写真を見ながらデザインポイントや感想のプレゼンテーション。
事後学習
各自のプレゼンテーションについてレポートを提出すると共に、授業全体の感想を提出します。
90分
フィードバック
未公開本(ブックデザイン)の舞台でもある書店の観察〜発見、書店への発案などのプレゼンテーションは、授業中に口頭で評価します。
PDFファイルで提出された課題(各回に課す)は、授業中に個別にフィードバックします。 最終のブックデザインについては、授業中のプレゼンテーション(発表会)で評価するとともに、個別に評価コメントを返します。 評価方法および評価の基準
授業への参加度(30%)、書店や本についてのプレゼンテーション(10%)、毎回の課題への取り組み(30%)、最終提出創作作品の評価(30%)とし、総合評価60点以上を合格とする。
到達目標1 書店や本についてのプレゼンテーション(10%/10%)、授業への参加度(10%/30%) 到達目標2 授業への参加度(10%/30%)、毎回の課題への取り組み(10%/30%) 到達目標3 授業への参加度(10%/30%)、毎回の課題への取り組み(10%/30%) 到達目標4 毎回の課題への取り組み(10%/30%)、最終提出創作作品の評価(30%/30%) 教科書
推薦書・参考文献
『知識ゼロからきちんと学べる! Illustrator しっかり入門 増補改訂 第2版』
高野雅弘著 SBクリエイティブ株式会社 履修上の助言、教員からのメッセージ
増え続ける電子書籍に対して、紙の本は「アナログ」と言われていても、今は実際その製作過程ほとんどが「デジタル」です。
読書好きな文芸文化学科の学生とも縁の深い、本のデザイン・装丁がどんな役割を担っているのか、どういう手順でできていくのか。 (合間に自由なデジタルお絵描きの講座や紙についての話をはさみながら) オリジナルな発想を捻り出し、アドビCCのクリエイティブソフトを使っての創作〜ブックデザイン(装丁)を体験していきます。 |