シラバス情報

科目名
福祉心理学
担当教員名
梅津 直子
ナンバリング
ECf2065
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 2年
学年
2年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
本科目は心理学科専門科目の選択科目であり、公認心理師取得のための必要科目である。
子どもから高齢期の人まで幅広い発達期の人を支援対象とするため、「発達心理学」を踏まえて本科目を理解する必要がある。また支援の方法として心理学的技法を用いることから、「臨床心理学概論」と関連性がある。
②科目の概要
福祉心理学は、福祉に関する問題を心理学的に研究し、福祉を必要とする人々に対して心理学的な技法を用いて介入、支援を行う学問である。本科目では福祉分野の心理支援実践のために必要な基礎概念・理論、支援方法、関連の法・制度について学修する。
③授業の方法(ALを含む)
講義による解説を中心に行う。事例検討などグループ・ディスカッションを取り入れるほか、事例に即した福祉制度について各グループで調べ、プレゼンテーションを行う。講義内容を理解したかどうかは、ミニテストやワーク(リアクション・ペーパー)を提出してもらいながら確認する。
ミニテスト/リアクションペーパー/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション
④到達目標
こども家庭福祉や高齢者福祉をはじめ、多岐にわたる福祉分野の心理社会的な課題およびその支援について理解を深める。
特に、公認心理師としての専門性を涵養するため以下の3点の理解を目指す。
1. 福祉分野における心理社会的課題及びその背景について理解し、説明できる
2. 福祉分野における心理社会的課題に対する支援について理解し、説明できる
3. 福祉に関する法・制度を理解し、それらの知識を問題に応じて活用することができる
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EC①-1 基本的理念・概念の理解/EC③-1 興味・関心、主体的な姿勢/EC③-3 課題発見・解決

第1回
事前学習
シラバスを読み、授業の枠組みを理解するとともに、授業に関する疑問点をまとめておく(15分)
ニュースや新聞雑誌などから福祉に関する情報を収集し、どのような分野に興味・関心があるか考える(90分)
所要時間は記述内容を参照
授業内容
オリエンテーション(受講者の興味関心に基づき、グループワークの班編成を行う)
福祉心理学の概要
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で配布された資料を読んでまとめておく(60分)
授業で配布した事例を読み、グループワークで参考になりそうな文献を各自調査する(60分)
[次回事前学習]
厚生労働省ホームページから白書や統計調査を閲覧し、福祉に関する現状や課題について考えをまとめる(90分)
所要時間は記述内容を参照
第2回
授業内容
現代社会における福祉をめぐる現状と課題
福祉心理学の原理【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習] 授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
[次回事前学習] 日本福祉心理学会ホームページから「倫理綱領」を閲覧し、心理支援を行うにあたって持つべき倫理観について、なぜそのような条項が規定されているのか考察を行う(60分)
所要時間は記述内容を参照
第3回
授業内容
福祉分野における活動の基本と倫理【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
ノーマライゼーションの8つの原則を振り返り、もし自分自身がグループホームで生活することになった場合、自分らしい普通の生活をするために、どのように生活環境を整えればよいか考える(30分)
[次回事前学習]
デートDVとは何か調べ、自分自身や友人・知人の交際のあり方について振り返る(60分)
所要時間は記述内容を参照
第4回
授業内容
暴力被害者への心理支援【ミニテスト】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
DVの事後対応だけでなく予防のためにどのような取り組みが可能か考えをまとめる(90分)
[次回事前学習]
発達心理学など他科目で学んだアタッチメント(愛着)について復習しておく(60分)
所要時間は記述内容を参照
第5回
授業内容
子ども家庭福祉領域の心理支援①児童虐待とアタッチメント障害【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
児童虐待の予防のためにどのような取り組みがあるかまとめる(60分)
[次回事前学習]
配布した事例に目を通しておく(30分)
所要時間は記述内容を参照
第6回
授業内容
児童虐待への支援の実際、事例検討とグループワーク【ディスカッション】【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(30分)
各グループの課題を各自で進める(60分)
[次回事前学習]
貧困によって子どもがどのような影響を受けるか、考えをまとめておく(60分)
子どもにとってゲーム機やスマートフォンは生活必需品と言えるか、考えをまとめておく(30分)
所要時間は記述内容を参照
第7回
授業内容
子ども家庭福祉領域の心理支援②社会的養護、貧困、ひとり親家庭への支援【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習] 授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
[次回事前学習] 子どもを産み育てる上で、どのような困難があるか考えをまとめる(60分)
所要時間は記述内容を参照
第8回
授業内容
子ども家庭福祉領域の心理支援③子育て支援【リアクションペーパー】【ミニテスト】
事後学習・次回事前学習
[事後学習] 授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
[次回事前学習] 発達心理学など他科目で学んだ高齢者の心身の機能の特徴や老年期の発達課題を復習しておく(90分)
所要時間は記述内容を参照
第9回
授業内容
高齢者福祉領域の心理支援①高齢者の心理的適応、介護と高齢者虐待【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習] 授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
高齢者虐待を防止するために、どのような取り組みが有効か考えをまとめる(90分)
[次回事前学習] 指定のウェブサイトから認知症の症状と対応に関する動画を複数視聴し、要点をまとめる(60分)
所要時間は記述内容を参照
第10回
授業内容
高齢者福祉領域の心理支援②認知症【リアクションペーパー】【ミニテスト】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
事前学習で視聴した動画と授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
[次回事前学習]
認知症の中核症状について、日常生活でどのような困難が生じるか考え、その際、認知症の人本人がどのような気持ちになるか想像する(30分)
所要時間は記述内容を参照
第11回
授業内容
認知症への支援の実際、事例検討とグループワーク【ディスカッション】【グループワーク】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(30分)
各グループの課題を各自で進める(60分)
[次回事前学習]
これまで他科目で学んだ内容を振り返り、どのような障害があったか復習しておく(90分)
2016年に発生した「津久井やまゆり園事件」について概要を調べる(30分)
出生前診断とは何か調べ、自分自身が妊娠した際に出生前検査を希望するか、考えをまとめておく(30分)
所要時間は記述内容を参照
第12回
授業内容
障害者福祉領域の心理支援①さまざまな障害とアセスメント【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
授業で取り扱うことができなかった障害で関心のあるものについて、症状や背景などについて調べ、まとめる(120分)
[次回事前学習]
他科目で学んだ内容を振り返り、行動理論・学習理論について復習をしておく(60分)
所要時間は記述内容を参照
第13回
授業内容
障害者福祉領域の心理支援②障害者への支援【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(30分)
授業で取り扱うことができなかった障害で関心のあるものについて、どのような支援が可能か調べ、まとめる(120分)
[次回事前学習] 地域福祉とは何か調べ、制度の狭間にあって課題を抱えている人とはどのような人か考えをまとめておく(60分)
所要時間は記述内容を参照
第14回
授業内容
地域福祉領域における心理支援【リアクションペーパー】【ミニテスト】
事後学習・次回事前学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を整理し、理解が不十分は内容は質問項目として整理しておく(60分)
授業で取り扱うことができなかった地域福祉の対象者について、どのような問題を抱えており、どのような支援が可能か調べて、まとめる(120分)
[次回事前学習]
グループ発表に向けてプレゼンテーション資料を完成させる(60分)
所要時間は記述内容を参照
第15回
授業内容
まとめ/グループ発表【プレゼンテーション】
事後学習
[事後学習]
授業で取り扱った内容を振り返り、理解が不十分は内容を復習する。
各グループの発表の要点をまとめ、特に関心のあるものについてレポートを作成する。
180分

フィードバック
ワーク等の課題については授業時間内に解説・コメントする。リアクションペーパーでの質問は単元ごとにまとめて返答する。ミニテストは、実施後その場で正解を発表の上、解説を行う。
評価方法および評価の基準
授業時に配布するワークやミニテストへの取り組み(50%)、グループワークとプレゼンテーションへの取り組み(30%)、ミニレポート(20%)の総合評価とする。総合評価60点以上を合格とする。
到達目標1 ワーク、ミニテスト(25%/50%)
到達目標2 ワーク、ミニテスト(25%/50%)、グループワーク(10%/30%)
到達目標3 グループワーク・プレゼンテーション(20%/30%)、ミニレポート(20%/20%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
使用しない。授業中にプリントを配布する。
推薦書・参考文献
「公認心理師の基礎と実践⑰ 福祉心理学」 中島健一編 遠見書房
「コメディカルのための社会福祉概論 第4版」 鬼崎信好・本郷秀和編 講談社

履修上の助言、教員からのメッセージ
グループワークやプレゼンテーションなどを取り入れ、受講生の皆さんと一緒に授業を作り上げていきたいと考えています。そのためにも主体的、積極的な取り組みを期待します。
また、障害者や高齢者、認知症の問題、児童虐待など、日ごろから社会的弱者の問題について関心を持ってニュースや新聞などから情報を得ることを心がけてください。