シラバス情報

科目名
視覚障害教育概論
担当教員名
太田 裕子
ナンバリング
EBd3041
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 日本語・日文コース 3年
学年
3年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
この科⽬は児童教育学科の「教職の基礎理念に関する科⽬」の選択科⽬である。ディプロマポリシー1,2に基づき、特別⽀援学校のみならず⼩・中学校等に在籍している、⾒えにくさの困難を抱えている児童⽣徒に対して、その実態を理解しその⼦に合った⽀援ができるための基礎的知識や指導⽅法内容を習得し、合理的配慮ができる教師の育成を⽬指す。特別
⽀援学校教諭免許状を取得するための必修科⽬である。
②科目の概要
視覚障害とはどういうものかを学び、視覚障害教育の歴史や制度を概観する。視覚障害の特性を踏まえた学習指導法(教育課程)、教材教具(点字、⽩杖歩⾏を含む)について研究し、教育現場で役に⽴つ知識を⾝につける。
③授業の方法(ALを含む)
教科書をもとに講義で進めるが、アクティブラーニングを取り入れ、視覚障害の疑似体験や自立活動の指導案作成・教材作成、模擬授業も取り⼊れていく。
ミニテスト/リアクションペーパー/実技、実験/レポート/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/ロールプレイ・模擬授業
④到達目標
a 視覚障害や視覚障害教育についての基礎的・基本的な知識・技能・態度を身に付ける。
b 視覚障害教育の特⾊である視覚に頼らない指導法、または視覚を活⽤した指導法を理解し、そのノウハウを活用して他障害の⼦どもの指導にも活⽤できる。 
c 視覚障害者の⽣活や職業・スポーツなどに興味関⼼を持ち、進路指導も含めた学校生活全般での適切な指導や支援、配慮ができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EB②-4 子ども理解

第1回
事前学習
【事前予習】テキスト全体をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。

45分
授業内容
オリエンテーション【リアクションペーパー】【実技、実験】
15回全体の講義内容をシラバスをもとに概観する。
その後、『視覚障害とは「エム・ナマエさんの⽣き⽅から学ぶ」』をテーマに、視覚障害になった後もイラストレーターとして活躍した「エム・ナマエさん」の、イラストレーターとしての仕事の仕方を考えることから、視覚障害教育で重要な視点を学ぶ。

事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第2回
授業内容
2  視覚障害教育とは(ヘレン・ケラーとアニー・サリバン)【ディスカッション】【リアクションペーパー】【レポート】
ヘレン・ケラーの生涯と、それを支えた家庭教師アニー・サリバンの物語を動画で視聴し、視覚障害教育に必要な触覚を活用した指導と言葉の獲得の指導について学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第3回
授業内容
3  視覚の成り⽴ち(視覚器の構造・主な眼疾患とさまざまな⾒え⽅)【実技、実験】【リアクションペーパー】
教科書をもとに、視覚器の構造と発達、視覚障害に関する主な眼疾患とそれによって異なるさまざまな見え方を学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第4回
授業内容
4  視機能の評価(視⼒とは・視機能評価の実際)【実技、実験】【グループワーク】【模擬授業】
視力の定義、視力測定の仕方などを模擬授業で行う。ロービジョンの疑似体験を交互にしながら、身に付ける。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第5回
授業内容
5  視覚障害児の教育の場と教育内容(学びの場と教育課程・基礎的環境整備と合理的配慮)【リアクションペーパー】【ディスカッション】
教科書及び特別支援学校学習指導要領、教育関係の法令をもとに、視覚障害児の学びの場と教育課程について、学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第6回
授業内容
6  視覚障害乳幼児の発達と⽀援(乳幼児期の特徴と必要な⽀援)【ディスカッション】【リフレクションペーパー】
乳幼児期の視覚機能の発達について学び、それぞれの時期における視覚障害による影響と必要な支援について学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第7回
授業内容
7 盲児の指導Ⅰ(視覚障害の疑似体験① 触察の体験と模擬指導)【実技、実験】【ロールプレイ、模擬授業】【グループワーク】
アイマスクによる全盲児の疑似体験をする。そののち、触覚を用いた基本的な指導場面をペアワークで模擬指導・疑似体験し、触覚の指導の要点を学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第8回
授業内容
8  盲児の指導Ⅱ(点字の成り⽴ちと点字の体験))【プレゼンテーション】【実技、実験】【模擬授業】
全盲児に必要な点字について、体験的に学ぶ。
点字を発明したルイ・ブライユについては各自で調べたことを発表する。
日本語の点字については、点字50音表をもとに、一人一人が点字をうつ体験を行う。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第9回
授業内容
9  盲児の指導Ⅲ(点字の指導法・模擬指導)【グループワーク】【ロールプレイ、模擬授業】
前回の点字をうつ体験をもとに、点字の導入期の指導を全盲児役と指導者役のペアワークで行い、点字の指導法を身に付ける。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第10回
授業内容
10 盲児の指導Ⅳ(歩⾏指導の基本と疑似体験・模擬指導))【グループワーク】【ロールプレイ、模擬授業】
全盲児への歩行指導について、介添え歩行と白杖歩行について、全盲児役と指導者役のペアワークで体験し、歩行指導の基本的な指導を学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第11回
授業内容
11 弱視児の指導(多様な⾒え⽅の理解と視認知⼒を⾼める学習、視覚補助具の活⽤、拡⼤教科書))【実技、実験】【グループワーク】【模擬授業】
弱視児の多様な見え方について、シミュレーションゴーグルを活用して体験し、それぞれの見え方に必要な支援を学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第12回
授業内容
12 視覚障害者の体験談を聞く(学校で学んだこと、⽣活・仕事・趣味、当事者からのメッセージ)【ディスカッション】【レポート】
視覚障害特別支援学校で働く、自身も視覚障害の教員をゲストティーチャーとして招き、体験談を聞き、当事者の視点にたったこれからの視覚障害者への進路指導や共生社会の在り方を考える。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第13回
授業内容
13 重複障害児の指導(新⽣児医療の現状、視覚障害のある重複障害教育の特徴)【ディスカッション】【リフレクションペーパー】
ヘレン・ケラーを代表とする盲ろう教育について動画から学ぶ。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をまとめる。
【次回事前学習】次回のテキストの部分をあらかじめ読み、専⾨⽤語などをインターネットで検索したりして予習する。
45分
第14回
授業内容
14 これからの視覚障害教育(インクルーシブ教育・センター的機能)【レポート】
視覚障害児のインクルーシブ教育について、記録動画を視聴しながら、その支援体制の構築について考え、レポートにまとめる。
事後学習・次回事前学習
【事後学習】講義を振り返り新たに学んだ事柄や⾃分の感想をレポートにまとめる。
【次回事前学習】次回の内容にかかわる専⾨⽤語や活躍している人名などをインターネットで検索し予習する。
45分
第15回
授業内容
15 これからの視覚障害教育(2)(障害者スポーツ・芸術活動等)【レポート】
パラリンピックの代表選手の話や音楽家の話などの動画を視聴しながら、共生社会の中で、優れた面を生かした指導の在り方について考え、レポートにまとめる。
15回全体の内容を振り返る。【ミニテスト】
事後学習
【事後学習】講義全体を振り返り、学んだ事柄の中で特に重要と思う事柄や⾃分の感想をまとめる。
45分

フィードバック
リアクションシート、ミニテスト、レポートについては、提出後にコメントを記載し、不十分なところは補充していく。
評価方法および評価の基準
視覚障害教育への関⼼・意欲・態度は授業への参加度(15%)、疑似体験などで⾝に付けた指導⼒はリフレクションシート・レポートなど(15%)、視覚障害教育の基礎的基本的な内容と専⾨性は講義のまとめ(70%)を中⼼にみることとし、総合評価60%以上を合格とする。

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
新視覚障害教育入門
青柳まゆみ・鳥山由子
ジアース教育新書
978-4-86371
特別支援学校幼稚部教育要領、特別支援学校小学部め中学部学習指導要領
文部科学省
海文堂出版
978-4-303-12424
推薦書・参考文献
【推薦書】⾹川邦⽣編著「⼩・中学校における視⼒の弱い⼦どもの学習⽀援」教育出版
全国盲学校⻑会編著「⾒えない・⾒えにくい⼦供のための歩⾏指導Q&A」ジアース教育新社
猪平眞理編著「視覚に障害のある乳幼児の育ちを⽀える」慶應義塾⼤学出版会
広瀬浩⼆郎著「⾝体でみる異⽂化」臨川選書
【参考図書】必要に応じて授業で紹介する

履修上の助言、教員からのメッセージ
視覚障害教育は特別⽀援教育の中でも最も歴史のある教育です。そのノウハウは、視覚障害児のみならず、いろいろな障害のある⼦どもを理解し⽀援・教育する上で⼤変参考となるものです。疑似体験等を通して自らが実感をもって理解し、⽀援の⽅法を学んでいきますので、しっかり出席し、体験してください。