教員名 : 山口 昂一
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科目名
心理療法
担当教員名
山口 昂一
ナンバリング
ECb3015
学科
2021年度 大学 教育人文学部 心理学科 3年
学年
3年
開講期
2023年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
臨床現場でのカウンセリング実践を踏まえて教授する。
ねらい
①科目の性格
人間発達心理学科の学位授与方針1,2に該当する。
本科目は、講義形式を基本としつつ、学生自身の積極的な参加も求められる授業である(各自の自習、学生間の意見交換)。それによって、「心理学的な研究方法から得られた実証的なデータに基づいて、人間、及び人間の発達に対する多面 的な見方ができること」ならびに「心理学における基本的な理論や概念を理解し、共感的理解や対人コミュニケーション能力を身につけること」が目指される。 ②科目の概要
本科目では、心理療法において、臨床家がどのように患者と出会い、理解し、介入していくのかを学ぶことを目指す。受講者には、事前に教科書『臨床心理学小史』(サトウタツヤ著、ちくま新書)、『臨床心理学史』(サトウタツヤ著、東京大学出版会)の該当箇所を読んでくることが求められる。授業では、様々な心理療法の事例に触れ、心理療法とはどのような実践であるかについて、理解を深める。
③授業の方法(ALを含む)
受講者には毎回、テキストの該当範囲を事前に読んでくることが求められる。授業では講師が自らの臨床経験を交えて解説を行う。
リアクションペーパー/レポート
④到達目標
心理療法がどのような臨床実践であるかを学び、種々の心理療法同士を比較する歴史的視座を養う。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EC①-1 基本的理念・概念の理解/KC①-1 基本的理念・概念の理解/KC③-1 興味・関心、主体的な姿勢
第1回
事前学習
第1回はオリエンテーションのため、事前学習の指定はなし。可能であれば教科書第1章「臨床心理学の前史ー1896年まで」を読んでくること。
授業内容
心理療法についての全体的な紹介、および本授業全体のオリエンテーションを行う。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第3章「臨床心理学の多彩な展開ー1921年」の、3.2節「性格理論の勃興と心理学的測定の必要性」(約7ページ)を読んでくること。
45分
第2回
授業内容
パーソナリティの諸理論、防衛機制、人格水準について講義を行う。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第4章「臨床心理学の成熟ー1945年から」の、4.5節「効果の考察,訓練法の整備」および4.8節「カウンセリングの展開と人間性心理学ー1954年」を読んでくること。
45分
第3回
授業内容
来談者中心療法について取り上げる。主にカール・ロジャーズについて解説する。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第4章「臨床心理学の成熟ー1945年から」の、4.10節「行動療法の展開—1957年」および第5章5.3節「論理療法・認知療法から認知行動療法へーベックのモデル1963年」を読んでくること。
45分
第4回
授業内容
行動療法および認知行動療法について講義する。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第5章5.3節「論理療法・認知療法から認知行動療法へーベックのモデル1963年」を再読してくること。
45分
第5回
授業内容
認知行動療法について、セルフモニタリング、コーピング、マインドフルネスといった技法を中心に解説する。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第5章5.3節「論理療法・認知療法から認知行動療法へーベックのモデル1963年」を再読してくること。
45分
第6回
授業内容
認知行動療法について、映像資料をもとにして、授業を行う。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第2章2.3節「フロイトの精神分析とその展開:夢の解釈(夢判断)ー1900年」を読んでくること。
45分
第7回
授業内容
精神分析について、フロイトの人生と理論を中心に解説する。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第2章2.7節「フロイト派の大騒ぎ:離反・展開・巻き込みー1911年」を読んでくること。
45分
第8回
授業内容
分析心理学の第1回。ユングの分析心理学について、フロイトとユングの違いや、ユングの人生と理論を中心に取り上げます。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第4章4.1.5節「ユングによる分析心理学の進展:ユング研究所ー1948年」を読んでくること
45分
第9回
授業内容
分析心理学の第2回。ユングの人生と理論についての後半部分、分析心理学の日本への影響について解説します。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第2章2.7節「フロイト派の大騒ぎ:離反・展開・巻き込みー1911年」を再読し、第4章4.2節「子どもの精神衛生と母性(愛)神話」を読んでくること。
45分
第10回
授業内容
精神分析の第2回。アンナ・フロイトとメラニー・クラインの論争を中心に、子どもの心理療法について取り上げます。
事後学習・次回事前学習
事後、次回事前学習ともに指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。
45分
第11回
授業内容
精神分析の第3回。ドナルド・ウィニコットとウィルフレッド・ビオンの理論を取り上げます。
事後学習・次回事前学習
事後、次回事前学習ともに指定なし(可能なら、授業のふりかえり)
45分
第12回
授業内容
精神力動的サイコセラピーについて取り上げます。
事後学習・次回事前学習
事後学習は指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。次回事前学習としては、教科書第4章4.2節「子どもの精神衛生と母性(愛)神話」を再読してくること
45分
第13回
授業内容
アタッチメント(愛着)について講義します。
事後学習・次回事前学習
事後、次回事前学習ともに指定なし(可能なら、授業のふりかえり)
45分
第14回
授業内容
メンタライゼーションについて、講義します。
事後学習・次回事前学習
事後、次回事前学習ともに指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。
45分
第15回
授業内容
まとめ
事後学習
指定なし(可能なら、授業のふりかえり)。
45分
フィードバック
講義中の質問に関しては、その場ないし次週に回答を行う。
評価方法および評価の基準
「毎回の授業への参加度(取組み)」60点と「課題レポート」40点の計100点とし、総合評価60点以上を合格とする。
到達目標.授業への参加度(60%)、レポート(40%) 教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
臨床心理学史
サトウタツヤ
東京大学出版会
978-4-13-011145-4
発売日:2021年11月30日判 型:A5ページ数:496頁
臨床心理学小史
サトウタツヤ
筑摩書房
978-4480074829
発売日 : 2022/5/11 新書 : 224ページ
推薦書・参考文献
生い立ちと業績から学ぶ精神分析入門:22人のフロイトの後継者たち 乾 吉佑 (監修) 創元社
ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1 伊藤絵美 医学書院 ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK2 伊藤絵美 医学書院 ロジャーズ クライエント中心療法 新版 --カウンセリングの核心を学ぶ 佐治守夫 有斐閣 メンタライゼーションを学ぼう 池田暁史 日本評論社 履修上の助言、教員からのメッセージ
教科書は参照しながら進めますが、教科書の補足や、掲載されていない部分についての説明が中心になるため、毎回授業に参加するようにしてください。
講師自身が精神分析を中心に臨床実践を行っているため、授業内容も精神分析や深層心理学に偏りますが、認知行動療法やクライエント中心療法も取り上げています。 心理療法の理論は、単に頭で考え出されたものではありません。カウンセラーとクライエントの生の情緒体験を何度も何度も反芻する、泥臭い作業の積み重ねから生まれてきたものだと私は考えています。 歴史や理論の提唱者の人生を知ると心理療法について理解しやすくなるので、そういった点を中心に講義します。 心理療法はダイナミックな心の動きを扱うものなので、その理論を学ぶときにも、自分の心を柔軟に働かせておく必要があります。 ただ受身的に講義を聞くだけでなく、想像を働かせ、疑問点があれば講義中に質問をしてください。 |