シラバス情報

科目名
幼児音楽論 1Aクラス
担当教員名
二宮 紀子
ナンバリング
EAg4062
学科
2021年度 大学 教育人文学部 幼児教育学科 3年
学年
3年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性

ねらい
①科目の性格
卒業研究の基礎となる科目である。幼児のみならず乳児の段階からの音楽とのかかわりに関するあらゆる課題を学ぶ。自身で感じ、考え、調べ、まとめるというプロセスを学ぶ。子どもと音楽に関わるあらゆることが対象になるため、音楽の教員が開講する同名称の科目を繰り返し受講できる。

②科目の概要
保育と音楽に関わるあらゆる課題を取り上げる。具体的には、最新の研究による知見を基に乳児がどのように音や音楽を認知し自ら表現する存在となるのかなど、乳児と音楽の関り、様々な子どもの歌が保育活動として持つ意義、子どもの歌の歴史と時代による特徴、音や楽器との出会い、リズム活動などである。

③授業の方法(ALを含む)
ほとんどの授業が講義であるが、自身の経験の振り返りなどをグループで共有して話し合ったり、調べ学習を発表するなどアクティブ・ラーニングの手法も取り入れる。リズム活動などは、実際に自身が体験することを通して学ぶ。
リアクションペーパー/実技、実験/レポート/グループワーク/プレゼンテーション/レポート(表現)
④到達目標
1.乳幼児と音・音楽の関りを理解することができる。
2.子どもの歌とは何か、その歴史、保育活動としての在り方について理解することができる。
3.乳児から幼児までの保育現場での音楽活動について理解し、自身にとっての課題を明確にすることができる。

⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
EA①-3 保育実践/EA②-3 保育者の思考・判断/EA③-5 問題意識、解決に取り組む姿勢

第1回
事前学習
【事前学習】
自身の保育時代に経験した音楽に関わる活動を思い起こし、アンケート形式のプリントに応える形で書きだしておく
90分
授業内容
「保育と音楽」について考える
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
アンケート内容に沿った形で行われる授業で学んだことをまとめ、リアクションペーパーとして提出する。
【次回事前学習】
第2回の資料に目を通す。
180分
第2回
授業内容
「乳児と音/音楽」について考える
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
第2回の授業で学んだこと、考えたことをまとめておく。
【次回事前学習】
第3回の授業資料に目を通す。
180分
第3回
授業内容
「幼児と音/音楽」について考える
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
第2回、第3回を通して学んだことを基に、資料「子どもの音への可能性を伸ばす保育」を読んで考えたことを書く。(レポート課題・1000時程度)
【次回事前学習】
第4回の授業資料に目を通す。乳児に対するわらべうたについて、種類、目的など調べる。
180分
第4回
授業内容
わらべうたが育むもの 乳児編
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
乳児のわらべうたについてまとめ、実践してみる。印象的なわらべうたを挙げ、何が興味を引いたのかを考える。
【次回事前学習】
第5回の授業資料に目を通す。
180分
第5回
授業内容
幼児期のわらべうたが育む音楽的力
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
わらべうたが持つ音楽教育的ねらいについてまとめ、自身のわらべうた体験に触れながら、第4回、第5回で学んだわらべうたについて思うことをリアクションペーパーにまとめる。800時程度。
【次回事前学習】
第6回授業資料に目を通す。
180分
第6回
授業内容
日本の音/音楽
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
雅楽、能、義太夫、歌舞伎など、授業で学んだ日本の音楽を色々と鑑賞し、その中から一つ選んで選曲の理由、感想を含め考えたことを書く。800時程度。(小レポート)
【次回事前学習】
第7回から第10回で扱われる子どもの歌の歴史的変遷に関し、「日本の子どもの歌小史」(「日本の子どもの歌」巻末の掲載)に目を通し、調べ学習としてどの時代を取り上げたいか考えておく。
180分
第7回
授業内容
西洋音楽との出会い
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
学校音楽としての歌唱についてまとめておく。
【次回事前学習】
グループ分けされた調べ学習の担当箇所に従ってプレゼンテーションの準備をする。明治期の学校唱歌の誕生から大正期の童謡の誕生まで。
180分
第8回
授業内容
明治・大正期の「唱歌(しょうか)」と大正期の童謡の誕生まで
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
この時期の歌唱についてのプレゼンテーションに対する考えをまとめる。この時期を担当したものは調べ学習をまとめたものをレポートとして提出。
【次回事前学習】
グループ分けされた調べ学習の担当箇所に従ってプレゼンテーションの準備をする。大正期の童謡運動について。
180分
第9回
授業内容
大正期の「童謡運動」と昭和初期の子どもの歌の状況
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
この時期の歌唱についてのプレゼンテーションに対する考えをまとめる。この時期を担当したものは調べ学習をまとめたものをレポートとして提出。
【次回事前学習】
グループ分けされた調べ学習の担当箇所に従ってプレゼンテーションの準備をする。戦後の新しい子どもの歌について。
180分
第10回
授業内容
戦後の新しい子どもの歌
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
この時期の歌唱についてのプレゼンテーションに対する考えをまとめる。この時期を担当したものは調べ学習をまとめたものをレポートとして提出。
【次回事前学習】
第11回授業資料に目を通す。
180分
第11回
授業内容
保育内容に見るリズムと歌唱
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
保育内容としてリズムと歌唱がどのように取り上げられてきたかをまとめておく。
【次回事前学習】
第12回授業資料に目を通す。
180分
第12回
授業内容
幼児と楽器
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
乳幼児の音楽活動における楽器の扱いについてまとめる。
【次回事前学習】
第13回の授業資料に目を通す。
180分
第13回
授業内容
保育現場でのリズム活動・リトミック
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
自身が実際に体験したリズム活動に関してまとめる。
【次回事前学習】
第14回授業資料に目を通す。
180分
第14回
授業内容
リズム活動の考え方(さくら・さくらんぼのリズムなど)
事後学習・次回事前学習
【事後学習】
保育におけるリズム活動について800字程度にまとめ、リアクションぺーパーとして提出。
【次回事前学習】
授業全体で学んだことを振り返り、自身が課題だと感じた内容についてまとめておく。
180分
第15回
授業内容
まとめ・保育における音楽活動とは
事後学習
【事後学習】
学んだこと、それに対する自身の考え、問題意識を振り返る。
90分

フィードバック
リアクションペーパー、レポートについては授業内で、その内容について触れる。グループワークでのまとめなど提出物に関しては、すべての学びを共有できるような形をとる。
評価方法および評価の基準
到達目標1でのグループワークやリアクションペーパー、到達目標2のプレゼンテーションなど授業への参加度(20%/100 %)、提出物の評価(40%/100%)、到達目標3のまとめのレポートの評価(40%/100%)を総合的に判断し、総合評価60点以上を合格とする。


教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
使用しない。毎回授業時に使用する資料を配布する。
推薦書・参考文献
【参考資料】日本の子どもの歌—唱歌童謡140年の歩み 全国大学音楽教育学会編 音楽之友社 2013年
【推薦書】授業の中で紹介する  

履修上の助言、教員からのメッセージ
論の着く授業は卒業研究に関わっていきます。乳幼児を含め子どもを取り巻く音楽について学び、気づきを深めましょう。赤ちゃんがどのように音や歌や、音楽に出会い、乳児期のどのような経験が幼児期の音楽活動に発展していくのか、子どもにとって音楽とはどのようなものなのか、様々な考え方を学び、現状を見つめ、自身で考え課題を発掘してみましょう。