シラバス情報

科目名
調理学実習Ⅱ 2Aクラス(10:40〜12:55)
担当教員名
芝崎 本実
ナンバリング
NBa2025
学科
2021年度 大学 人間生活学部 食物栄養学科 1年
学年
1年
開講期
2023年度後期
授業形態
実習
単位数
1.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
管理栄養士の実務経験を有する教員が、調理に携わった実務経験を活かし、実際の調理実習を通して、健康で、おいしい食事を衛生的に調理し、基礎から応用までの調理技術を習得させる科目である。

ねらい
①科目の性格
本科目は、食物栄養学科専門科目の「食べ物と健康」に位置付けられた科目であり、栄養士資格、管理栄養士国家試験受験資格を得るために履修する必須科目である。
「調理学」や「調理学実習Ⅰ」で学んだ理論や技術を十分に踏まえて履修することが大切である。
②科目の概要
「調理学実習Ⅰ」を踏まえ、「調理学実習Ⅱ」では、日常的献立について、様々な食材や調理器具における取り扱いを学びながら、調理法を基礎から応用へと発展させる能力を養い、
「調理学実習Ⅲ」につながる理論的な調理技能を修得する。また、一般的な調理以外に行事食や郷土料理などを取り入れて食文化の知識を深めることができる。

③授業の方法(ALを含む)
【実習について】
 日本料理、西洋料理、中国料理等における日常献立について、食材の選択や取り扱い、調理法を学修する。
 さらに、食卓に彩を添えるような季節感の演出やテーブルセッティング、提供方法を実践する。
【授業について】
 配布資料(プラスシートや教科書に記載されていない料理のレシピなど)は、事前に配布するため、必ず予習してから授業に臨む。
 ※グループでのコミュニケーションを円滑にするため、貯類作業工程を立案した上で実習を行うことを指導する。
 講義および調理のデモンストレーション実施後、各グループで実習に取り組み、試食、評価を行う。

※1回の授業は2コマ連続で行う。
※配分当番を設け、実習で使用する材料を前日に配分する(1コマ程度、これは授業の一環として実施するものである)。
※実習は事前準備から片付け、掃除までを含む。
※実習献立は食材仕入れや学習状況により変更することがある。
※実習ノートには、配布した資料を貼付し、毎回記録する(指示された期日までに提出する)。
リアクションペーパー/実技、実験/レポート/グループワーク/ディスカッション/実習・インターンシップ
④到達目標
1.実際の調理による食品の科学的な変化や特性について、系統的に理解できる。
2.調理方法を基礎から応用へと発展させる能力を養い、それに合わせた調理技術を習得している。
3.行事食や供応食の意義と調理方法に、背景となる食文化の知識を深めることができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NB①-3 基礎・専門知識の活用方法/NB②-4 問題解決、行動力/NB③-1 探求意欲・態度

第1回
事前学習
「調理学実習Ⅰ」で学んだ実習について、実習ノート等を見ながら復習する(切り方や調理方法、調理用語など)。
45分
授業内容
■オリエンテーション
 実習スケジュールや献立の確認および実習の進め方
【調理学実習Ⅰの復習】
 ・包丁の握り方
 ・野菜の切り方

■調理のポイント
 ・焼き菓子の作り方
【小麦粉や米粉の調理特性、卵の調理】
 ≪西洋料理≫
 ・シフォンケーキ、コーヒー
事後学習・次回事前学習
・「調理学実習Ⅰ」で学んだことや実習ノートを復習する。
・「調理学実習Ⅱ」の実習献立を確認しながら、取り扱う食材や献立を種類毎に分類する。
45分
第2回
授業内容
■実習のポイント
 ・栗の扱い方や魚の煮方
【米、卵の調理】
 ≪日本料理≫
 ・栗ご飯
 ・茶碗蒸し
 ・魚の煮付け
 ・白和え
事後学習・次回事前学習
・魚の調理方法についてまとめる。
・調理の献立や調理法の特徴などについて、教科書等を参考に実習のノートにまとめる。
45分
第3回
授業内容
■実習のポイント
 ・中国調理の料理構成や調理法
 ・混合調味料の使い方
 ・とろみの付け方
【肉の調理】
 ≪中国料理≫
 ・冷菜(棒々鶏)
 ・炒菜(麻婆豆腐)
 ・湯菜(スープ)
 ・白飯
事後学習・次回事前学習
・中国料炊き込みご飯に加える材料(季節や食品毎)や割合(%)を調べて、まとめる。
・中国料理の調味料や香辛料について、どのような料理に使用されているかを調べてまとめる。
45分
第4回
授業内容
■実習のポイント
 ・もち米の扱い方を学ぶ。
 ・魚のおろし方・焼き方を学ぶ。
【米や魚の調理、乾式・湿式加熱】
 ≪日本料理≫
 ・赤飯
 ・あじの塩焼き
 ・炊き合わせ
事後学習・次回事前学習
・調理の加熱条件や煮物調理の種類をまとめる。
45分
第5回
授業内容
■実習のポイント
 ・ベシャメルソースの濃度別調理
 ・コーンスターチのゲル化
【小麦粉やでんぷんの調理】
 ≪西洋料理≫
 ・クリームコロッケ
 ・マセドアンサラダ
 ・コンソメジュリエンヌ
 ・バケット
事後学習・次回事前学習
・ベシャメルソースの材料割合や加熱温度の違いによって、濃度や用途が異なるため、料理の特徴と合わせてまとめる。
・でんぷんの特性やゲル化の特徴をまとめる。
45分
第6回
授業内容
■実習のポイント
 ・中国料理の料理構成や調理法
 ・いかのさばき方
 ・凝固剤の種類と扱い方
【魚の調理、凝固剤を使った調理】
 ≪中国料理≫
 ・炒菜(炒墨魚)
 ・炸菜(春巻き)
 ・点心
 ・白飯
事後学習・次回事前学習
・中国料理の点心や飲茶について、調理の特徴や日本とのかかわりなど食文化を踏まえてまとめる。
45分
第7回
授業内容
■実習のポイント
 ・マリナード(つけ汁)の調理効果
 ・煮込み調理
【揚げ物の調理】
 ≪西洋料理≫
 ・わかさぎのエスカベージュ
 ・ウォルドフサラダ
 ・ミネストローネ
 ・パン(ライ麦パン) 
事後学習・次回事前学習
・西洋料理の地域やその土地の料理の特徴を捉えるために、参考書等を参考にまとめる。
・煮物調理における熱伝導方法や適した鍋の材質などをまとめる。
45分
第8回
授業内容
■実習のポイント
 ・天ぷらの基本
 ・乾物の扱い方
【揚げ物の調理】
 ≪日本料理≫
 ・天ぷら
 ・ひじきの煮物
 ・のっぺい汁
 ・白飯
事後学習・次回事前学習
・揚げ物の調理におけて、吸油による食材の取り扱いを配布資料や教科書などを用いてまとめる。
・日本で生産されている海藻について、種類や調理法についてまとめる。
45分
第9回
授業内容
■実習のポイント
 ・和菓子の作り方(包餡、生地を煉る)
 ・煎茶の入れ方
【米粉の調理】
 ≪和菓子≫
 ・フルーツ大福
 ・団子
 ・煎茶
事後学習・次回事前学習
・和菓子の歴史や種類、由来を調べる。
・和菓子で多く用いる米粉や小豆についての調理特性をまとめる。
・煎茶について
 *国内:茶栽培の地域や種類、特徴をまとめる。
 *海外:発酵茶・半発酵茶・非発酵茶の違いや海外で飲まれている茶の種類について調べる。
45分
第10回
授業内容
■実習のポイント
 ・行事食のテーブルセッティング
 ・オードブルの意味
【行事食➀】
 ≪西洋料理_クリスマス料理≫
 ・鶏もも肉の照り焼き(ローストチキン)
 ・エビのカクテルサラダ
 ・パンプキンスープ
 ・フルーツマチェドニア
 ・ロールパン
 ・紅茶 
事後学習・次回事前学習
・世界のクリスマス料理やイベント食について、宗教的な意味合いや料理の種類を調べてまとめる。
45分
第11回
授業内容
■実習のポイント
 ・おせち料理の保存効果や意味
 ・重箱の詰め方
【行事食➁】
 ≪日本料理_おせち料理≫
 ・雑煮(関東風)
 ・おせち料理(紅白なます、栗きんとん、錦卵、紅白かまぼこ、若竹ちくわ、紅白なます、えびの甘煮、田作り、黒豆、ちょろぎ)
 ・煎茶
事後学習・次回事前学習
正月料理の調理法について(保存方法など)特徴をまとめる。
重箱の詰め方や正月飾りについて調べる。
45分
第12回
授業内容
■実習のポイント
 ・ブラウンルーの作り方
 ・焼き菓子の作り方
【小麦粉、米粉の調理】
 ≪西洋料理≫
 ・ビーフシチュー
 ・レタスのサラダ
 ・りんごのケーキ
 ・バケット
事後学習・次回事前学習
・西洋料理の調理法における特徴やカトラリーについてまとめる。
45分
第13回
授業内容
■実習のポイント
 ・調理グループワーク
【調理の応用実習】
 ≪中国料理≫
 ・事前に調理課題を配布する。
【掃除】
 ・大掃除
事後学習・次回事前学習
調理学実習Ⅱで学んだ食材の取り扱い、調理操作や加熱条件などを復習する。
調理学実習で用いた食器やカトラリーを確認したり、掃除用具の使い方を考える。
45分
第14回
授業内容
■実習のポイント
 ・包丁の仕組み、研ぎ方
 ・食教材研究
【調理器具の特徴や取り扱い】
 ・包丁研ぎの説明および実習(外部講師)
【食教材研究】
 ・管理栄養士国家試験などで出題された食材を実際に調べて、実食する。
【まとめ】
 ・調理学実習Ⅱのまとめ
事後学習・次回事前学習
包丁の種類(牛刀、柳刃など)や切り方の特徴をまとめる。
食教材について調べ、実際に食べた感想などをまとめる。
45分
第15回
授業内容
■定期テスト(60分間)
■連絡事項
事後学習
定期テストに向けて、実習で学んだこと(調理の種類による特徴や調理技法、調理用語、食材の取り扱いなど)を実習ノートにまとめながら、学修する。
90分

フィードバック
実習ノートは、調理方法や調理用語、食材の取り扱いについての理解、実習中に学修したポイントがまとめられているかなどについて評価する。
評価方法および評価の基準
【到達目標】
定期テスト(50%)、実習ノート及びレポート(40%)、授業参加態度(10%)の60%以上を合格とする。
合格点に満たなかった場合には、「再試験」を行う。

到達目標1.定期テスト(10%/50%)、実習—ノート及びレポート(10%/40%)、授業参加態度(5%/10%)
到達目標2.定期テスト(20%/50%)、実習—ノート及びレポート(20%/40%)、授業参加態度(10%/10%)
到達目標3.定期テスト(30%/50%)、実習—ノート及びレポート(30%/40%)、授業参加態度(10%/10%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
あすの健康と調理 新編: 食生活の彩りを豊かに
飯田文子、松原弘恵
アイ・ケイ コーポレーション
9784874923863
推薦書・参考文献
【参考図書】川端晶子監修・著 阿久澤さゆり他共著 「改訂 イラストでわかる基本調理」同文書院
      宮下朋子編著 菊池節子他共著 「新調理学実習」同文書院
      粟津原宏子他共著 「たのしい調理ー基礎と実習ー」医歯薬出版
      香西みどり・綾部園子編著 「流れと要点がわかる 調理学実習(豊富な献立と説明)」光生館
      松本仲子監修 「調理のためのベーシックデーター」女子栄養大学出版部
      新しい食生活を考える会 「食品解説付き新ビジュアル食品成分表」大修館書店

履修上の助言、教員からのメッセージ
実習前は実習スケジュールを確認し、事前学修を行う。
グループで実習内容を把握し、役割分担と調理の作業工程を確認し、積極的な協調性を養う。
配布資料に含まれる「プラスシート」はワークシート形式となっているため、教科書や参考書などを参考に記述する。