シラバス情報

科目名
栄養教諭実践論Ⅱ
担当教員名
鹿島 日布美、井上 久美子
ナンバリング
学科
2021年度 大学 人間生活学部 人間福祉学科 社福・保育コース 3年
学年
3年
開講期
2023年度後期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
学校現場における栄養教諭としての教員経験のある非常勤講師が、その経験を活かしながら、「給食を生きた教材として展開する食育活動」について講義する。

ねらい
①科目の性格
栄養教諭一種免許状を取得するための「栄養に係る教育に関する科目」として、3年次後期に履修する必修の科目である。3年次前期に「栄養教諭実践論Ⅰ」で学習した内容を基礎とし、前提となる管理栄養士養成のための学びを加えて、具体的に応用・展開して児童・生徒へ指導する方法等を学んでいく。栄養教育実習(栄養教諭実習Ⅰ、栄養教諭実習Ⅱ)の前段階に相当する
②科目の概要
栄養教諭の職務内容は、「食に関する指導」と「学校給食管理」である。給食を生きた教材とする学校現場での食育活動の実際を学び、PDCAサイクルで「チーム学校」としての食育を運営していく必要性と方法を学ぶ。その後、自ら指導案と教材・資料等を作成して授業運営の模擬を行い、教育効果の評価などから学びを得る。
③授業の方法(ALを含む)
講義に演習を組み込んだ形式で、リアクションペーパー、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーション、創作、模擬授業などを取り入れて、学習効果を高める。
リアクションペーパー/グループワーク/ディスカッション/プレゼンテーション/ロールプレイ・模擬授業/創作、制作
④到達目標
(1)食に関する指導方法が説明できる。
(2)食に関する指導のための指導案、教材・資料を作成できる。
(3)食に関する指導の模擬体験により授業運営ができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)

第1回
事前学習
【事前学習】文部科学省〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第1章第1節を読み、栄養教諭実践論Ⅰのノートを振り返り、児童・生徒の食に関する課題を整理しておく。
90分
授業内容
食生活や食文化、食環境の変遷と関連する児童・生徒の栄養問題に対し、「チーム学校」で取り組む、「食に関する指導」の意義とPDCAサイクル  【グループワーク】【プレゼンテーション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】児童・生徒の食に関する課題を、食生活・食文化・食環境との関連を検討しながらノートに整理する。さらに、文部科学省〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第1章第6節を読み、栄養教諭実践論Ⅰのノートを振り返り、「チーム学校」で取り組む食に関する指導と、そこでの栄養教諭の位置づけについて、ノートに整理する。  
【次回事前学習】 文部科学省〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第3章、栄養教諭実践論Ⅰのノートを振り返り、食に関する指導に係る全体計画の意義について整理しておく。 
180分
第2回
授業内容
食に関する年間指導計画と、その展開における栄養教諭の役割   【ディスカッション】【リアクションペーパー】 
事後学習・次回事前学習
【事後学習】教科書第6章を読み、各学校ごとの食に関する指導に係る全体計画が、作成される必要性と、その作成手順や内容について、ノートに整理する。さらに、教科書第7章を読み、学校現場での展開方法を整理する。
【次回事前学習】文部科学省〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第5章、栄養教諭実践論Ⅰのノートを振り返り、給食の時間における食に関する指導について、整理をしておく。さらに、文部科学省〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第1節の総論、教科書第9章1〜3 を読み、教科ごとの学習指導要領の特徴を整理しておく。
180分
第3回
授業内容
給食の時間における食に関する指導、ならびに、教科における食に関する指導(生活科、家庭科、技術・家庭科) 【グループワーク】【プレゼンテーション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】給食の時間における食に関する指導について、特に、給食を教材とした教科等における食に関する指導 を中心に、ノートに整理する。
さらに、生活科、家庭科、技術・家庭科の学習指導要領の特徴を生かした、食に関する指導についてノートに整理する。〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第2節3.4も読み、復習する。
【次回事前学習】〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第1節の総論を読む。また、教科書第9章3〜4を読み、教科ごとの学習指導要領の特徴を整理しておく。
180分
第4回
授業内容
教科における食に関する指導 (体育科、保健体育科、総合的な学習の時間)  【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】体育科、保健体育科、総合的な学習の時間の学習指導要領の特徴を生かした、食に関する指導についてノートに整理する。〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第2節5.7も読み、復習する。
【次回事前学習】〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第1節の総論を読む。また、教科書第9章6〜8を読み、教科ごとの学習指導要領の特徴を整理しておく。
180分
第5回
授業内容
教科における食に関する指導 (社会科、理科、道徳)  【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】社会科、理科、道徳の学習指導要領の特徴を生かした、食に関する指導についてノートに整理する。〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第2節1.2.6も読み、復習する。
【次回事前学習】〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第1節の総論を読む。また、教科書第9章5を読み、総合的なが学修の時間の学習指導要領の特徴を整理しておく。
180分
第6回
授業内容
教科における食に関する指導 (特別活動)   【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】教科ごとの学習指導要領の特徴を生かした、食に関する指導についてノートに整理する。〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第4章第2節8も読み、復習する。
【次回事前学習】学校現場の「特別活動」の食育に用いたい媒体や指導参考資料について調べる。
180分
第7回
授業内容
特別活動における食に関する指導について実施例からの学びと、食に関する指導に用いる食生活学習教材・指導参考資料に求められる要件の把握  
【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】非常勤講師による事例報告を基に、特別活動の意義や特徴を生かした食に関する指導案をまとめる。
【次回事前学習】学校現場での食育に用いたい媒体や指導参考資料の参照先として、根拠が明確な、文部科学省の食育教材や栄養士会のHPなどの活用の方法や考え方を整理してノートにまとめる。
180分
第8回
授業内容
小学校低学年ならびに高学年、中学生を対象とした、食に関する指導の指導案の立案 【創作】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】学校現場での食育に用いたい媒体や指導参考資料について考え、さらに教科書やインターネット上で検索し、学年ごとの指導内容などの違いについて情報収集する。
【次回事前学習】実習ノート p56〜69を読み、小学校低学年、高学年、中学校を対象に設定して、指導案作りをする準備をしておく。
180分
第9回
授業内容
小学校低学年ならびに高学年、中学生を対象とした、食に関する指導案の作成 【創作】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】小学校低学年、高学年、中学校を対象に設定した指導案を、それぞれ完成させる。
【次回事前学習】それぞれ完成させた、小学校低学年、高学年、中学生を対象に設定した指導案について、発表の準備をする。
180分
第10回
授業内容
作成した指導案の発表,相互評価  【プレゼンテーション】【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】発表し評価を得た小学校低学年、高学年、中学校を対象とした指導案について、改善を加えて完成させる。
【次回事前学習】それぞれ完成させた指導案について、シナリオや媒体を検討し、模擬授業の準備をする。
180分
第11回
授業内容
模擬授業(低学年向け)、指導効果の評価   【模擬授業】【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】事後の相互評価レポートを完成させる。
【次回事前学習】それぞれ完成させた指導案について、シナリオをつけて、模擬授業の準備をする。
180分
第12回
授業内容
模擬授業(高学年向け)、指導効果の評価   【模擬授業】【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】事後の相互評価レポートを完成させる。
【次回事前学習】それぞれ完成させた指導案について、シナリオをつけて、模擬授業の準備をする。
180分
第13回
授業内容
模擬授業(中学生向け)、指導効果の評価   【模擬授業】【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】事後の相互評価レポートを完成させる。
【次回事前学習】教科書第10章 を読み、個別栄養相談指導の対象となる栄養課題の特徴を考える。
180分
第14回
授業内容
食物アレルギー、肥満ややせに対する個別指導のあり方   【ディスカッション】【リアクションペーパー】
事後学習・次回事前学習
【事後学習】〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第6章を読み、個別の相談指導に求められる特別な配慮について整理し、ノートにまとめる。
【次回事前学習】教科書第11章 を読み、学校と、児童・生徒と、さらに家庭・地域社会との関わりについて考えをまとめる。
180分
第15回
授業内容
学校と家庭と地域が連携した食に関する指導 ならびに 学校における食育推進の評価
全体のまとめ  
【グループワーク】【プレゼンテーション】【リアクションペーパー】
事後学習
【事後学習】〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第2章を読み、学校・家庭・地域が連携して児童・生徒の食に係る意味を整理し、ノートにまとめる。
さらに、〔食に関する指導の手引き-第二次改訂版-〕第7章を読み、食育を推進するだけでなく、評価しフィードバックすることの必要性を理解する。
栄養教諭実践論Ⅰならびに今回のノートを振り返り、栄養教諭が学校現場でなすべき食に関する指導について、明確な理解をする。
90分

フィードバック
各授業の最初に、前回授業のリアクションペーパーに対するコメントや質疑への返答をし、理解を深める。
また、指導案などの提出物ならびに模擬に対しては、個々にコメントする。
評価方法および評価の基準
リアクションシート(15%)、グループワークやプレゼンテーション、模擬授業(55%)、および筆記試験(20%)により評価を行い、総合評価60点以上を合格とする。
到達目標(1);リアクションペーパー(5%/15%)、筆記試験(20%)
到達目標(2);リアクションペーパー(5%/15%)、グループワークやプレゼンテーション、模擬授業(25%/55%)
到達目標(3);リアクションペーパー(5%/15%)、グループワークやプレゼンテーション、模擬授業(30%/55%)

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
四訂 栄養教諭論
金田雅代編著
建帛社
978-4-7679-2116-8
3・4年 のべ4科目で使用
教職実践演習・栄養教育実習ノート
芦川修貮監修
学建書院
978-4-7624-0891-5
3・4年 のべ4科目で使用
食に関する指導の手引-第二次-改訂版
文部科学省
推薦書・参考文献
【参考資料】文部科学省〔食に関する指導の手引-第二次改訂版-〕〔新学習指導要領〕〔栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育〕〔食育教材 楽しい食事つながる食事〕

履修上の助言、教員からのメッセージ