シラバス情報

科目名
特別な教育的ニーズの理解と支援B
担当教員名
綿引 清勝
ナンバリング
学科
2021年度 大学 教育人文学部 文芸文化学科 芸術・文化コース 1年
学年
1年
開講期
2022年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位

実務経験の有無
実務経験および科目との関連性
特別支援教育の現状や特別支援学校等の教育内容について、知的障害特別支援学校での実務経験を交えながら実践的に講義を進めていく。

ねらい
①科目の性格
本授業は、教職課程の必修科目に含まれる。
②科目の概要
特別な支援を必要とする子どもの特性及び心身の発達を理解するとともに、連続性のある多様な学びの場における教育課程や具体的な支援方法を学ぶ。
また、障害はないが教育的ニーズのある子どもたちの学習上又は生活上の困難を把握し、適切な支援ができるための基礎的な専門性を身につける。
③授業の方法(ALを含む)
本授業は、講義にICT機器を活用しながら、双方向型で進めていく。その際、動画の視聴やグループディスカッションなどを多く取り入れ、知識の定着を深める。
授業終了後には、学習内容を確認するためのミニテストやレポートを実施する。また各授業ごとにワークシートを配布し、講義終了時に提出を求める。
ミニテスト/リアクションペーパー/レポート/グループワーク/ディスカッション/ケースメソッド/ICT
④到達目標
・特別支援教育の制度や教育課程等を理解し、連続性のある多様な学びに応じた就学のあり方について、自分の言葉で説明することができる。
・特別な支援を必要とする幼児児童生徒の障害特性及び心身の発達を理解し、自分の言葉で説明することができる。
・特別な支援を必要とする幼児児童生徒の教育課程を理解し、障害特性や心身の発達と関連付けて支援方法を考えることができる。
・障害はないが特別な教育的ニーズのある幼児児童生徒について、個々の学習上又は生活上の困難を把握し、適切な支援方法を考えることができる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)

第1回
事前学習
指定テキストや文部科学省のHP等から、「特殊教育」と「特別支援教育」の違いを調べ、ワークシートへ整理し、まとめておくこと。
90分
授業内容
第1回 特別支援教育の理念とインクルーシブ教育システムについて

特別支援教育の理念やインクルーシブ教育システムの概要について、障害児教育の歴史的変遷や学習指導要領、関連法令等を交えながら、他者との意見交換を通して理解を深める。
事後学習・次回事前学習
特別支援学校の就学対象となる5障害を調べ、ワークシートへまとめること。
90分
第2回
授業内容
第2回 障害の理解と支援について
国際障害分類や国際生活機能分類の定義等から、「障害とは何か?」について意見交換をしながら理解を深める。また、特別支援教育の対象となる障害種等を知り、合理的配慮や基礎的環境整備についても理解を深める。
事後学習・次回事前学習
ICIDHとICFの定義や考え方をワークシートへ整理し、障害とは何かについて自分の考えを整理する。
90分
第3回
授業内容
第3回 連続性のある多様な学びの場と特別支援教育の教育課程について

特別支援教育に関連する各教育課程を学び、自立活動についても具体例を交えながら実践的なイメージを概説する。
また、就学基準や通常学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校の違いなどについても理解を深める。
事後学習・次回事前学習
連続性のある多様な学びの場について、教育課程や就学基準等をワークシートへ整理する。
90分
第4回
授業内容
第4回 「特別支援学級」と「通級による指導」について

「特別支援学級」や「通級による指導」の就学基準や教育課程等を知るとともに、その対象となる幼児児童生徒の具体的なイメージをもち、支援方法を深く考える。
事後学習・次回事前学習
「特別支援学級」や「通級による指導」の対象となる子どもたちの障害や教育課程等をワークシートへ整理する。
90分
第5回
授業内容
第5回 「視覚障害」及び「聴覚障害」の理解と支援

動画やグループディスカッションを活用しながら、各障害の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
「視覚障害」及び「聴覚障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第6回
授業内容
第6回 「知的障害」の理解と支援

動画やグループディスカッションを活用しながら、知的障害の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
「知的障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第7回
授業内容
第7回 「肢体不自由」及び「病弱・身体虚弱」の理解と支援について

動画やグループディスカッションを活用しながら、「肢体不自由」及び「病弱・身体虚弱」の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
「肢体不自由」及び「病弱・身体虚弱」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第8回
授業内容
第8回 「発達障害」と「学習障害」の理解と支援について

動画やグループディスカッションを活用しながら、「発達障害」及び「学習障害」の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
・「発達障害」の定義をワークシートに整理する。
・「学習障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第9回
授業内容
第9回 「注意欠如・多動性障害」及び「発達性協調運動障害」の理解と支援について

動画やグループディスカッションを活用しながら、「注意欠如・多動性障害」及び「発達性協調運動障害」の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
・「注意欠如・多動性障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
・「発達性協調運動障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第10回
授業内容
第10回 「自閉症スペクトラム障害」の理解と支援について

動画やグループディスカッションを活用しながら、「自閉症スペクトラム障害」の定義や心理特性を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
「自閉症スペクトラム障害」の定義、障害特性、学習上の配慮事項等をワークシートへ整理する。
90分
第11回
授業内容
第11回 「障害はないが特別なニーズのある子」の理解と支援について

動画やグループディスカッションを活用しながら、「障害はないが特別なニーズのある子」の教育的ニーズ等を知り、具体的な支援方法を教育課程と結びつけて深く考える。
事後学習・次回事前学習
「障害はないが特別なニーズのある子」について、様々なニーズや教育的対応について、ワークシートに自分の知識を整理する。
90分
第12回
授業内容
第12回 「アセスメント」と「個別の教育支援計画」・「個別の指導計画」について

アセスメントの定義や実際について学び、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」と関連付けて子どもたちの支援とは何かを深く考える。
事後学習・次回事前学習
・アセスメントの方法について、学習内容をワークシートに整理する。
・授業の資料を基に、「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」の違いについて、自分の言葉でワークシートをまとめる。
90分
第13回
授業内容
第13回 特別支援教育コーディネーターの役割と連携について

特別支援教育コーディネーターの役割について学び、前時で学習した「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」と関連付けて理解を深める。
事後学習・次回事前学習
・特別支援教育コーディネーターの役割について、授業の内容を基にワークシートへ学んだことを整理する。
90分
第14回
授業内容
第14回 家庭・関係機関との連携について

保護者対応の方法や個別の教育支援計画と連動した関係機関との連携方法について、具体的な方法を学ぶ。
事後学習・次回事前学習
・保護者対応のポイントについて、ワークシートへ学んだことを整理する。
・関係機関との連携について、どのような機関があるかをワークシートへ整理する。
90分
第15回
授業内容
第15回 これらからの特別支援教育について

これまでの学習を振り返りながら、特別支援教育やインクルーシブ教育が目指すものを再確認し、教員として様々な子どもたちのニーズに対してどう応えていくかを深く考える。
事後学習
これまでの学習を振り返り、講義内で自分が学んだことが、教員としてどのように活かせるかを自分の言葉でワークシートにまとめる。
90分

フィードバック
・講義後のミニテストについては、次回の講義時に振り返りを兼ねて解答の解説を行う。
・ワークシートについては、学習の成果物として、全講義終了後に提出を求める。
・提出方法及び提出物のフィードバックについては、授業形態を考慮し、授業内で改めて周知する。

評価方法および評価の基準
習得した知識に関するミニテスト30%、事前事後学習も含めたワークシート30%、最終レポート30%、授業における発言等の積極的参加態度10%により、評価を行う。
なお、グループワーク時における非協力的な態度や講義中の私語、無断の離席、スマートホンの無断使用等は、評価において減点の対象となる。

教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
「気になる子」のインクルーシブ教育・保育
野内友規・綿引清勝 編著
中央法規出版
2022年4月刊行
推薦書・参考文献
梅永雄二・島田博祐・森下由規子 編著 「みんなで考える特別支援教育」 2019 北樹出版
柏崎秀子 編著 「通常学級で活かす特別支援教育概論」 2020 ナカニシヤ出版
特別支援学校学習指導要領解説 各教科等(小学部・中学部) 平成30年告示 文部科学省
特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 自立活動編(幼稚部・小学部・中学部) 平成30年告示 文部科学省

履修上の助言、教員からのメッセージ
・特別支援教育を学ぶにあたり、専門的な知識や指導技術だけでなく、子どもを深く理解し、寄り添う気持ちも一緒に学んでほしいと考えています。
・指定テキストは、毎時間使用する予定なので、各自購入をお願いいたします。
・受講するにあたり、ワークシートを添付ファイルで配布しますので、毎時間忘れずに準備してください。
・何らかの事情によりリモートで授業を行う場合には、出席の確認の際に顔出しを求めることがあります。
・授業内では、積極的に他者とのディスカッションを取り入れていきます。教員として対人的なやり取りは重要なスキルでもあるので、受講者はそれを理解して授業に参加してください。具体的な形態については、感染症の状況を鑑み、授業内で別途指示をします。