教員名 : 阿部 常樹
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科目名
郷土と行事の食
担当教員名
阿部 常樹
ナンバリング
NAc3089
学科
2021年度 大学 人間生活学部 健康栄養学科 3年
学年
3年
開講期
2022年度前期
授業形態
講義
単位数
2.00単位
実務経験の有無
有
実務経験および科目との関連性
担当者は動物考古学、特に江戸時代を研究対象としている。その江戸の遺跡から出土した動物性の食物残滓の分析から、特に、大名江戸屋敷跡における国元との関係性やハレの日に出された食べものの推定などもおこなっており、「郷土」や「行事食」に関して関連のある研究を展開している。また、北海道や沖縄に関しても研究対象としており、調査にも参加している。
ねらい
①科目の性格
健康栄養学科の「食文化領域」の「食の文化」領域の選択科目です。
②科目の概要
食を「郷土」と「行事食」との関係性から紐解いていく本授業においては、それらが育まれた歴史的・地理的環境との関係性からも紐解いていく必要があると考える。そこで、日本の各地の郷土食や行事食をそれぞれの土地の歴史や地理的な背景も含めて授業を展開する。特に、北海道や沖縄はもちろんのこと、東西日本に分けて概観し、その上で比較文化的な視点から授業を展開したい。
③授業の方法(ALを含む)
講義形式でおこなう。具体的に、授業時には一部書き込み式のレジメを配布し、パワーポイントを用いておこなう。また、毎回、授業後の課題を準備する予定。それによって、復習をおこなうほか、講義内容について自分なりに考えてもらうものにする。質問がある場合は、その課題内に記載してもらうようにし、次の授業の冒頭に全員に向けて回答をおこなう予定である。
ミニテスト/リアクションペーパー/レポート
④到達目標
①郷土の食文化の知識を得ることができる。②行事食について知識を得ることができる。①郷土の食文化と行事食が成立した歴史的・地理的背景について理解できる。
⑤ディプロマ・ポリシーとの関係(右の資質・能力を育成することを目的とする)
NA②-3 相互理解と自己表現/NA③-1 食文化・運動に関する主体的・継続的学修/NA③-2 問題の把握、解決策の立案
第1回
事前学習
自分の地元の郷土食や行事食について調べてみる。
90分
授業内容
ガイダンス。本授業の進め方、習う内容について説明。
事後学習・次回事前学習
事前学習で調べた地元の郷土・行事食について、ガイダンスで示した本授業の方向性から改めて見直してみる。
北海道の歴史や文化について予習しておくこと。 180分
第2回
授業内容
北海道の歴史と地理
北海道、特にアイヌにおける食文化を学習する前に、その食文化を育んだ北海道の歴史と地理について学習する。 事後学習・次回事前学習
きちんと復習をする。次の授業は第2回の授業内容をふまえたものとなっているため。
180分
第3回
授業内容
近世アイヌ文化と祭祀・儀礼
近世アイヌ文化について祭祀や儀礼を中心に掘り下げる。 事後学習・次回事前学習
第2回の授業内容を復習した上、自分なりにアイヌ文化について調べてみる。
180分
第4回
授業内容
北海道の行事・儀礼食
歴史や地理的背景も踏まえつつ、北海道、特にアイヌ文化に関連する郷土食と行事食についてみていく。 事後学習・次回事前学習
第2回から第4回で学んだ内容を復習すること。
また、沖縄の歴史と地理について自分なりに調べておくこと。 180分
第5回
授業内容
沖縄の歴史と地理
沖縄における食文化を学習する前に、その食文化を育んだ沖縄の歴史と地理について学習する。 事後学習・次回事前学習
復習をしっかりおこなうこと。第6回と第7回の講義は第5回の内容をベースに展開するため。また、沖縄文化におけるブタの位置付けについて自分なり調べておくこと。
180分
第6回
授業内容
沖縄文化におけるブタ
沖縄料理の食材として欠かせないブタについて、食材としてだけでなく沖縄文化のなかでの位置付けについて講義する。 事後学習・次回事前学習
復習をしっかりおこなうこと。第7回の講義は第5回と第6回の内容をベースに展開するため。また、沖縄における郷土食・行事食について自分なり調べておくこと。
180分
第7回
授業内容
沖縄文化における郷土食・行事食
沖縄の歴史や地理的背景も踏まえつつ、郷土食と行事食についてみていく。 事後学習・次回事前学習
第7回だけでなく、第5回と第6回で習った内容も含めて復習すること。
また、次回(第8回)以降の講義に備えて、日本史を勉強すること。※漫画日本史を読むだけでもかまいません。 180分
第8回
授業内容
上方(京都・大阪など)の食文化と行事食
日本料理は近世以前まで都のあった近畿地方(上方)において形作られたものである。また、次回(第9回)の江戸における食文化も元々は上方のものをベースとしている。そこで、「日本の歴史」に沿って日本の行事食の成立と展開についてみていく。 事後学習・次回事前学習
復習をしっかりおこなうこと。第7回の講義は第5回と第6回の内容をベースにお話しします。また、江戸の食文化について自分なり調べておくこと。
180分
第9回
授業内容
江戸・東京の食文化と行事食
都市江戸としての歴史は、徳川家康が天正18年(1590)に入府して以降である。新興都市であることから、文化の面においても当時の中心地である京都・大坂の影響が強く反映しており、食文化も同様である。その後、18世紀の江戸地廻り経済圏の確立などにより、食文化においても江戸の独自性が見られるようになる。本授業では食文化、特に行事食における上方の影響と江戸そして東京の独自性が成立していく過程について一緒に考えてみたい。 事後学習・次回事前学習
第8回と第9回の授業をあわせて、しっかり復習をおこなうこと。第10回の講義は第8回と第9回の内容をベースに展開するため。
180分
第10回
授業内容
江戸大名屋敷跡の調査からみる国元の食文化との関係性
近世の江戸大名屋敷は、各地に領地をもつ大名の現在の大使館的な側面をもつ。そのため、その国元(地方)の食材や食文化が一部持ち込まれている。一方で時代が経つに連れて、その屋敷内のそれらが江戸的に変化する側面も有する。そこで、江戸大名屋敷を取り上げることで、近世におけるそれぞれの地域の食文化とそしてそれらが「江戸的」なものへ変容していく過程を特に考古学の研究成果から考えていきたい。 事後学習・次回事前学習
第10回の授業内容をしっかり復習をおこなうこと。また、第11回以降の授業に備えて、第8回から第10回を復習することで日本全体の食文化の歴史や西日本と東日本との関係性を整理しておくこと。
180分
第11回
授業内容
北関東地方の食文化と行事食
第11回から具体的に関東地方を中心に各地域の食文化と行事食についてみていく。 第11回は、北関東地方、特に本学のある埼玉県と隣接する群馬県における食文化と行事食について、歴史的・地理的両側面から考える。 事後学習・次回事前学習
今回の授業内容をしっかり復習しておくこと。
180分
第12回
授業内容
南関東地方の食文化と行事食
南関東地方、神奈川県と千葉県における食文化と行事食について、歴史的・地理的両側面から考える。 事後学習・次回事前学習
今回の授業内容をきちんと復習しておくこと。また、南関東と北関東の事例を自分なりに比較してみる。事前学習として、第1回の事前・事後学習でしらべた自分の地元の郷土食・行事食について今までの学習内容を踏まえてもう一度調べなおし、また、その成立の背景を考えてみる。
180分
第13回
授業内容
そのほかの地方の食文化と行事食
第12回まで紹介した地方以外の食文化と行事食について、歴史的・地理的両側面から考える。 事後学習・次回事前学習
今回の授業内容をきちんと復習しておくこと。
180分
第14回
授業内容
食文化と地理的環境との関係性
いままでの講義内容を踏まえて、改めて食文化と地理的環境との関係性について総対的に考える。 事後学習・次回事前学習
第14回の授業を踏まえて、食文化と地理的環境との関係性について今まですべての授業内容を復習する。また、自分の出身地に当てはめて考えてみる。
180分
第15回
授業内容
第1回から第15回までの講義のまとめをおこなう。
郷土食や行事食の成立と歴史・地理的環境との関係性について考える。 事後学習
第15回の授業を踏まえて、講義全体の復習をする。
180分
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質問がある場合は、授業後の課題内に記載してもらうようにし、次の授業の冒頭に全員に向けて回答をおこなう予定である。
評価方法および評価の基準
対面での筆記試験が不可能な場合
毎回の出席や授業態度、授業後の課題への積極的な取り組み評価100% 対面での筆記試験が可能な場合 毎回の出席や授業態度、授業後の課題への積極的な取り組み評価60%+筆記試験40% 教科書
書名
著者
出版社
ISBN
備考
なし
推薦書・参考文献
金田章裕『和食の地理学』平凡社新書(2020年)
日本の食生活全集 農山漁村文化協会(※各書名は『聞き書○○の食事』) 履修上の助言、教員からのメッセージ
本授業は、授業中の私語や遅刻、無断退出に関して厳しいです。その点を考慮して履修してください。
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